スカイライン熱も冷め、唯一手元に残した赤いケンメリGT‐R【2】1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

グッドコンディションを保っているS20型エンジンが収まったエンジンベイ。基本的には純正志向だが、機能的な部分はアップデートしている。また、プラグコードやバッテリー、ピロアッパーマウントをボディと同じ赤でコーディネート

       
プリンスS54、PGC10、KPGC110、DR30、R31、R32GT-Rなど歴代スカイラインを収集。
その後、1台、また1台と手放す中、オーナーが唯一手元に残した真っ赤なケンメリGT-R。
どのクルマも手塩にかけたが、ケンメリGT-Rは奥さまもお気に入りのクルマだ。

【 1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2】

【1】から続く

 自動車の修理工場を営むオーナーが、夢中になった趣味が旧車のコレクションだった。

 当初は、このケンメリGT‐R以外にも、数多くのクルマを所有していた。その中でも多かったのがスカイラインだ。プリンスS54、ハコスカGT‐R、DR30ターボRS、R32GT‐Rなどなど、歴代すべてを揃えようとしたというコレクションは、挙げればきりがない。一時は、自前で「スカイランミュージアム」を作ることも本気で考えていたという。

 ただ、いつの間にかそんなスカイライン熱も冷め、オーナーは1台、そしてまた1台と集めたコレクションを手放していった。そして、「未練はまったくありませんでした」と話すオーナーが、唯一、手元に残したのが、この幻色のケンメリGT‐Rだった。

「自分がクルマばかりかまっていると、いい顔をしない。そんな妻が、このケンメリGT‐Rだけは、昔から気に入ってくれています。だから形見にしてやろうかと(笑)。で、まあ、それがこのクルマだけを今も手放さないでいる一番の理由ですね」と語るオーナー。


>> 【画像20枚】可能な限りオリジナルのコンディションに復元されたフロントグリル、Cピラー、リアフェンダーのエンブレム類など。もちろん、日頃からメンテナンスを行っており、ピカピカの状態で美しい仕上がりとなっている




>> エアクリーナーは取り外してファンネル仕様にし、美観と吸気サウンドを楽しむ。ホース類はステンメッシュで、フィッティングはボディカラーに合わせてレッドで統一。





>> タコ足は、アール・ファクトリー製のオールステンレスで、デュアルマフラーとコンビで装着。



1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC110)


Specification 諸元
全長 4460mm
全幅 1695mm
全高 1380mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1395 / 1375mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1340mm
室内高 1125mm
車両重量 1145kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力 tanθ0.46
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 55L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前後とも ディスク
タイヤ前後とも 175HR14
発売当時価格 163万円


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

関連記事:GT-R伝説

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【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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