妻への思いもあって手放さなかった幻色の「赤いケンメリGT-R」【1】1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

メッキや樹脂部も当時の状態に再生。「グリルのグレーはもう少しダークに仕上げたかった」とオーナー

       
プリンスS54、PGC10、KPGC110、DR30、R31、R32GT-Rなど歴代スカイラインを収集。
その後、1台、また1台と手放す中、オーナーが唯一手元に残した真っ赤なケンメリGT-R。
どのクルマも手塩にかけたが、ケンメリGT-Rは奥さまもお気に入りのクルマだ。

【 1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.1】

 日産が世に送り出したGT‐Rの中で、最も希少価値が高いのがケンメリGT‐R。中でも、オリジナルの赤いボディカラーは、全生産台数197台のうち、ほとんどホワイトが占め、そして残りはシルバーのため極めて少ない。オーダーカラーとされた赤色は、生産数7台という記録が残る。そのうちの1台は日産のヘリテージコレクションに保管されていることから、現在、世の中に存在するのは6台と、まさに幻のクルマ。高騰を続けるGT‐R市場の中でも、間違いなく群を抜く価値となっていることもうなずける。

 そんな幻色のケンメリGT‐Rを、今から四半世紀ほど前の1995年に手に入れたのが、このオーナーだ。20歳の頃に乗っていたGT‐Rを、再び手に入れたいという思いから、このケンメリRの存在を知り、購入したとのこと。自動車の修理工場を営むオーナーにとって、旧車のコレクションは若い頃から夢中になった趣味。

>> 【画像20枚】グッドコンディションを保っているS20型エンジンが収まったエンジンベイなど。基本的には純正志向だが、機能的な部分はアップデートしている。また、プラグコードやバッテリー、ピロアッパーマウントをボディと同じ赤でコーディネート




>> フロントグリル、Cピラー、リアフェンダーのエンブレム類なども、可能な限りオリジナルのコンディションに復元。美しい仕上がりとなっている。もちろん、日頃からメンテナンスを行っており、ピカピカの状態。



1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC110)


Specification 諸元
全長 4460mm
全幅 1695mm
全高 1380mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1395 / 1375mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1340mm
室内高 1125mm
車両重量 1145kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力 tanθ0.46
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 55L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前後とも ディスク
タイヤ前後とも 175HR14
発売当時価格 163万円


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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