先輩から引き継いだウエーバーを生かすためエンジンも製作した310【2】1981年式 日産 サニー クーペ SGX-E

オーナーが青春時代に思い描いた夢を具現化すべくチューンナップされたこのB310。旧車オーナーの悩みの種でもあるボディは、購入後すぐにフルレストア。と同時にFRPパーツで武装することで、ボディを大幅に軽量化。同じくウエーバーの装着兼レストアをメインにチューンされたA15型エンジンは、圧縮比向上によりトルクとパワーを適度に追求した仕様。ストリートで使いやすく、サーキットでも遊べる万能マシンへと進化をとげた！

【珠玉のOHVユニット A型チューンの真髄に迫る 1981年式 日産 サニー クーペ SGX-E　Vol.2】

【1】から続く

　そして先輩から引き継いだウエーバーを生かすべく、エンジン製作も依頼。予算の関係上、腰下は基本的にノーマルパーツをそのまま生かし、ヘッドまわりを重点的にチューン。ヘッドは1.3mmの面研、0.8mmのヘッドガスケットの組み合わせで、圧縮比を純正の9:1から11:1にまでアップ。ポートは東名製のインマニに合わせて径を4mm拡大。さらに、純正のクランクシャフトのバランス取りや、亀有製のWPCメタルを使うことで、回転効率を高めてパンチのあるエンジンにチューンナップしている。

　足まわりは、フロントにはTRD製AE92用ショートストロークショックを組み込んだ車高調を装着し、リアは先輩から譲り受けたAE86用のトキコ製ショートショックの組み合わせ。フロント6kg/mm、リア4.6kg/mmのコイルスプリングは、竹口自動車でリセッティングされたものだが、ストリートでも扱いやすい適度な車高にローダウンし、硬すぎず軟らかすぎない絶妙な味付けとなっている。



>>【画像31枚】横幅は純正サイズながら、3層にコア増しされたラジエーターなど。ヘッドチューンがメインとはいえ、パワーアップしたエンジンを冷やすためには必須アイテム



>> ヘッドチューンが生み出す圧倒的なトルク感とパワー




>> B110に搭載されるA12型のヘッドとは違い、ポート径の小さなA15型ヘッド。そのためこのB310では、ポート径を4mm拡大するとともに、エキゾーストマニホールドもB110用を流用。

1981年式 日産 サニー クーペ SGX-E（PB310）

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:リスタード製FRPボンネット/フロントフェンダー/スポイラー付リアゲート、FRP製前後バンパー、リアアクリルガラス、510用フェンダーミラー
■エンジン:A15型改1487cc仕様（ボアφ76mm×ストローク82mm、圧縮比11）、亀有製0.8mmヘッドガスケット/バルブスプリング/リテーナー/WPCメタル、ピットロード製78度カム、4mmポート拡大、クランクシャフトバランス取り
■吸気系:ウエーバー45DCOE9（メイン150、パイロット50、エアー230）、TOMEI製インテークマニホールド
■排気系:B110用エキゾーストマニホールド加工、ワンオフマフラー、
■点火系:ワコー製フルトラキット、永井電子機器製ウルトラプラグコード/MDI
■冷却系:3層ラジエーター、キノクニ製オイルクーラー（サーモスタット付）
■駆動系:亀有製Rタイプクロモリフライホイール、ニスモ製メタルディスク/クラッチカバー/LSD
■サスペンション:純正シェルケース加工車高調 （F）TRD製AE92用ショート+ピットロード製6kg/mm （R）トキコ製AE86用ショート+ピットロード製4.6kg/mm
■ブレーキ:MK63キャリパー、S30Z用7/8マスターシリンダー、前後ステンメッシュホース
■インテリア:オートゲージ製油温計/油圧計/水温計/タコメーター、スパルコ製バケットシート/4点式ハーネス
■タイヤ:ヨコハマ アドバンA050　185/55R14
■ホイール:RSワタナベ 8スポーク （F）14×6.5J（Bタイプ） （R）14×7J（Aタイプ）

【3】に続く

初出：ノスタルジックスピード vol.019　2019年2月号
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1981年式 日産 サニー クーペ SGX-E（全3記事）

関連記事：珠玉のOHVユニット A型チューンの真髄に迫る

関連記事：サニー



【1】から続く