丸ハンドルの3輪車【2】店内のファイヤーキングの食器と雰囲気もあったミゼット|ダイハツ ミゼット MP4

店先でスタンバイするミゼット。そのスケール感が店舗の風景とマッチする

       
コーヒーのデリバリーに都内の細い路地を駆け抜けるミゼット。独特のエンジン音が鳴り響き、振り返る人々。
街になじむその姿は本来のミゼットらしさといえるのかもしれない。コマーシャルカーとして復活した奇跡の2台がここにある。

【 ダイハツ ミゼット MP4 Vol.2】

【1】から続く


 豆虎で使用されているのはこのMP4となる。なぜ、そんなに古いクルマを使っているのか? 疑問に思うところだが、それには代表の穴吹則寿さんの思いがあるからこそといえるだろう。

「日本の経済発展を支えてきたのは、自動車や家電といったメイド・イン・ジャパンです。日本のものづくりのすごいところは、ユーザーのニーズにきめ細かく応えるための開発姿勢だと思います。ミゼットが活躍した、当時の日本製品は、とても小さかったけれど、ピカピカで可愛くて、すごく丁寧に造り込んであって高性能でした。そして、何より、夢があって、底知れぬパワーと温かさを感じます。そんな、50年以上前のミゼットやファイヤーキングの食器が置いてある珈琲焙煎店を都内で作ってみたかったんです。それだけでエンターテイメント性があるので、一杯の珈琲が何倍にもおいしくなると思います。また、お客さま自身の幼少期や、青春時代を懐かしんでいただけたら本望です」と語る穴吹さん。

 そのアイコンとなったミゼットはビンテージカーヨシノでレストアされたという。前期型はレストア済みのクルマを仕上げた程度だが、後期型はすべてを一からやり直す、徹底したレストア作業であった。豆虎代表穴吹さんのものづくりへの思いと、ビンテージカーヨシノの技術力で、奇跡のミゼットが復活したと言ってもいいだろう。

>>【画像33枚】赤坂の狭い路地であってもミゼットであれば余裕のサイズ。店内で豆本来の個性を活かした焙煎など

本格的なコーヒーを味わう、都内の隠れ家的オアシス

自分が本当においしいと感じるコーヒーを見つけられるスペシャルティーコーヒー専門店。店内で焙煎されるコーヒーは、一度味わうと、忘れられないおいしさが記憶に残る。

豆虎
住所:東京都港区赤坂3-6-18
   赤坂ニューロイヤルビル101
電話:03-6435-5533
営業時間:11:00~20:00(月~金)/
     11:00~19:00(土・日) 
定休日:祝日



奥左の代表穴吹さんを取り囲む豆虎のスタッフたち。みんなで店を作っている雰囲気。



ダイハツ ミゼット MP4

SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高:2885×1296×1510mm
ホイールベース:1810mm
トレッド:1122mm
最低地上高:140mm
標準荷箱長×幅×高:1160×1100×425mm
最小回転半径:2.6m
積載量:350kg
乗車定員:2名
エンジン型式:強制空冷2サイクル
内径×行程:72×75mm
総排気量:305cc
圧縮比:6.2
標準出力:12hp
タンク容量:15L
変速段階:前進3段・後進1段
サスペンション:半浮動式アクスル&リーフ
ブレーキ:リーディングトレーリング
タイヤ前/後:5.00-9-4P/5.00-9-6P



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ダイハツ ミゼット MP4(全3記事)


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【1】から続く

text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:AKIO HIRANO/平野 陽、SATOSHI KAMIMURA/神村聖

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