風吹裕矢【3】スポーツカーではない! FRPによる軽量ボディが特徴の「GTカー」|1973年式 ロータス ヨーロッパ スペシャル |サーキットの狼世代へ

風吹裕矢のロータス・ヨーロッパの特徴はボンネットに刻まれた撃墜数を示す星マーク。早瀬佐近との対決前に29個だった。

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

サーキットの狼 Story

すべてはここから始まった
主人公風吹裕矢最初の愛車


【 1973年式 ロータス ヨーロッパ スペシャル  Vol.3】

【2】から続く

 ロータス・ヨーロッパは、ロータス・エランの成功によって採用された逆Y字形バックボーンフレームによる低いエンジンマウントとFRPによる軽量ボディが特徴のGTカー(スポーツカーではない!)。1966年の発売から1975年の生産中止まで採用されたこの2つの仕様は最後まで変わることなく、高い運動性能を実現した。実は流用パーツが多く、コストダウンが図られていたことも特徴。この最初のモデルである46のレース仕様として販売されたのが47(46のレース仕様といっても中身は全くの別もの)。1968年にマイナーチェンジして54となり、1971年にはツインカム化された74(いわゆるTC)が登場した。その後そのツインカムエンジンをチューンナップした最終モデルが1973年に登場。これが風吹裕矢の愛車として活躍するスペシャルである。もちろん、池沢早人師さんが実際に乗っていたのも同じモデルだ。

>>【画像23枚】ちなみにこの個体は、車体にあるエンブレムからも明らかなように、1973年式のロータス・ヨーロッパスペシャル。まさに漫画に登場したものと同モデル



>> ビッグバルブヘッドを持つDOHCユニット。レースに出場していた車両だけにエキマニにバンテージを巻くなど随所に本気度が見える。もちろんターボ化はされていない。






1973年式 ロータス ヨーロッパ スペシャル

SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●3980×1650×1090mm
ホイールベース●2340mm
トレッド 前/後●1346mm/1346mm
車両重量●730kg
エンジン●水冷直列4気筒DOHC 縦置きミッドシップ
総排気量●1558cc
最高出力●126ps/6500rpm
最大トルク●15.6kg-m/5500rpm
生産年●1971~1975年
生産台数●4710台(TC&SP)
生産国●イギリス
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。

【4】に続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 ロータス ヨーロッパ スペシャル (全4記事)

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【1】【2】から続く

©︎池沢早人師/animedia.com text:NOSTALGIC HERO/編集部 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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