2.0GTツインターボと3.0GTリミテッド! 2代目トヨタ・ソアラ(Z20)のモデルライフを徹底解説! ボディカラー・エンジン仕様・グレード| Z20ソアラ徹底解剖 

1987年式 トヨタ ソアラ 2.0GTツインターボと1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GTリミテッド

       
数々の新技術が投入され、空前の大ヒットを記録。
ハチマル世代を象徴するモデルとなった2代目ソアラ。
まずは、そのモデルライフをじっくりと解説していく。

【 Z20ソアラ徹底解剖 】

 絶大な人気を誇った初代の後を引き継ぎ、1986年1月にデビューした2代目のZ20もまた、革新と先進性に富んだモデルとなった。前ページでも触れたように、Z20には101もの新技術が投入されている。その代表的なものがエアサスペンション、マルチビジョン、進化型TEMSなどで、ハイテク満載の内容。まさに新技術が次々と生まれた1980年代を象徴するモデルだ。まずは、そんなZ20のモデルライフを振り返っていきたい。

 Z20は毎年改良を行っているのが特徴。各年の内容を見ていくと、1987年の改良では3Lの7M‐GT型エンジン搭載車に5速MTを追加したほか、1G‐G型エンジンのスペック向上、後席中央に2点式シートベルトを追加、パーキングランプの廃止を行っている。

 続く1988年がマイナーチェンジで、ここで内外装を変更したほか、7M‐GT型と1G‐GT型を改良。その詳細は後ページで触れていくので割愛するが、ワイヤレスリモートドアロックやCDチェンジャー、自動車電話が新たに採用されたのもこの時だ。

>> 【画像16枚】2代目Z20ソアラの外観比較など

 2Lの1G型系エンジンが改良された1989年も重要なポイントで、SOHCが廃止されて新たにハイメカツインカムの1G‐F型を導入。また、ツインターボの1G‐GT型とスポーツツインカムの1G‐G型もスペックが向上した。このほか、新デザインのアルミホイールの採用などの小変更も実施している。1990年の改良は、3.0GTリミテッドに熱反射ブロンズガラスを採用するなど、小規模なものだった。


 これがモデルライフを通した改良の概要で、マイナーチェンジを境に前期/後期に分けるのが一般的。だが、デビュー時を前期、マイナーチェンジで外観が変わったモデルを中期、一部改良でエンジンが変わった1989年モデル以降を後期の、3つに区別するケースもある。今回の特集ではより詳しく解説するためにこれを採用していく。

 Z20が駆け抜けた時代は日本が好景気にわいたバブル期。その追い風を受けて爆発的なヒットを記録した希代の名車を、さまざまな角度から紐解いていきたい。




●前期
撮影車両は1987年式の2.0GTツインターボ。ボディサイズはシリーズを通して、全長4675×全幅1695×全高1345㎜。マイナーチェンジでの違いで大きいのはフロントグリルで、ハニカムから横桟デザインに変更。また、前期はグリル内のグリフォンが赤となるのが特徴だ。

●後期
撮影車両は1990年式の3.0GTリミテッド。3.0GT系のボディサイズは全幅が30㎜拡大して1725㎜となる。また、エアサス仕様の全高は1335㎜。リアコンビランプでは前期はメッキモールが1本の上下2分割だったものが、後期ではメッキモールが2本となり3分割となっている。


●ボディカラー
ボディカラーは6〜7色をつねに設定しており、2トーンが3色、単色が3〜4色が基本だが、毎年のようにラインナップは変わる。また、スーパーホワイトのようにⅡ、Ⅲ、Ⅳと変わったり、レッドマイカのように名称は同じでカラーコードが違うケースもある。さらに、3.0GTリミテッドはクリスタルホワイトトーニング系とスーパーホワイト系のみ、ダンディブラックトーニングはツインターボのみなど、グレードや色によって差別化される。





●エンジン

Z20の搭載エンジンはすべて直列6気筒で、3Lターボ、2Lツインターボ、2LDOHC、2LSOHCの4種が基本。エンジン別に見てみると、7M-GT型は1988年に使用燃料がプレミアム仕様となり、240ps/35.0kg-mにアップ。1G-GT型も1988年にプレミアム仕様となり、200ps/28.0kg-mに。さらに1989年には210psとなった。1G-G型は1987年に17.6kg-mに、1989年に150ps/18.6kg-mに向上。2LSOHCの1G型は1989年にDOHCの1G-F型にスイッチしている。また、1988年からは全車、燃料タンクが70Lになった。






●ラインナップ
下表を見ても分かるように、Z20はトップモデルとなる3.0GTを重視ししていることが顕著に表れているラインナップだ。また、グレード体系はシリーズを通して大きな変化はなく、唯一の変更点は1988年のマイナーチェンジ時で、2LSOHCエンジンを搭載するVZがカタログ落ちし、2LDOHCツインターボ搭載モデルにツインターボLが追加されている。ただし、ラインナップに変化がないと言っても、ここでは掘り下げられないが、同じグレードでも改良によって装備や仕様、オプション設定が異なるものもある。




初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Z20ソアラ徹底解剖(全1記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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