ショーカーから生まれた伝説のSUV【3】独特で個性的なスタイルが魅力。そのフィナーレを飾る175台|1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション

シフトレバー後方の赤いプレートが175リミテッドエディションの証明。シリアルナンバー入りプレートが装着される。この個体は限定175台中の59番だ

       
ショーカーから生まれた異端児
伝説のクロスオーバーSUV

【 1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション Vol.3】

【2】から続く

 拍手大喝采で迎えられたビークロスは、1999年2月に国内販売終了を発表。それと同時に、フィナーレを飾るモデルとして開発コードに由来する175リミテッドエディションが175台限定で用意された。その詳細は後ページの写真とともに見てもらいたいが、わずか2年間という期間で国内販売を終えることとなったビークロスは、確実に日本の自動車史に名を残した。

 2年間の国内販売台数は1700台余りと言われており、決して特筆する数字ではない。しかし、熱狂的なファンを生み出したことは確かだ。そのひとりが今回の撮影車両のオーナーだ。「何と言ってもこの独特で個性的なスタイルですよね。こんなクルマ、他にないじゃないですか。16年経った今でも、まわりから視線を感じます。それだけインパクトが強いんでしょうね」と語る。「新しいクルマを購入しても、ビークロスだけは手放すことはないでしょうね」とオーナーは付け加えた。年を重ねるごとに少しずつ現存車両が減っているのは事実だが、オーナーのようなファンに支えられ、ビークロスの名は後世に語り継がれる。

>>【画像24枚】2本のキバにメタルパーツが装着される175リミテッドエディションのグリルなど。ただ、標準車でも175仕様にしているオーナーが多いそうだ



>> ショーカーのときは1.6Lだったが、市販化に伴い当時のいすゞが持つガソリンエンジンの最強ユニット、3.2LV6が選ばれた。スペシャリティーカーの高性能さとSUVのパワフルさを両立したエンジンだ。





>> 驚くほどキレイな下まわり。「洗車好きなんですよ」と言うオーナー。燃料タンクやデフ、サスペンションなど、美しく黒光りしている。





>> マフラーはフジツボ製に変更。SUVとは思えない迫力の快音を奏でる。




OWNER’S VOICE



 限定車175リミテッドエディションを新車で購入し、以来16年、愛情が衰えることないオーナー。もともと4WD車が好きで、ビッグホーンのイルムシャーRSにも6年間乗っていたそうだ。「洗車が大変な年頃になってきたので、最近はあまり乗らないようにしてるんです」と言うだけあり、クルマはピカピカの状態。にもかかわらず、こんな大きな石がゴロゴロする場所で撮影させてもらって感謝です。「これもいい思い出です」と言うオーナーの笑顔に救われました。

1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション(V55W)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4075×1875×1915
ホイールベース(mm) 2420
トレッド(mm) 1590(前後とも)
車両重量(kg) 1990
エンジン型式 6G74型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 3496
ボア×ストローク(mm) 93.0×85.8
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 280 / 6500
最大トルク(kg-m / rpm) 35.5 / 3000
変速比 1速 3.789 / 2速 2.057 / 3速 1.421 /
4速 1.000 / 5速 0.731 / 後退 3.865
最終減速比 4.272
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン / マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 265 / 70R16(前後とも)
発売当時価格 390.8万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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