ヘンカタ流MAX|「エンジンも1人でひょいと下ろせる」小さな昭和の2ストスポーツ|1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス Vol.3

焼きつきを考え、オイルの混合量を多めにしているので白煙も濃いめ(?)街中では通報されないかドキドキすることがあるらしい。

       
このフェローMAXはご存じ岡山のカリスマプライベーター、「ヘンカタさん」のお遊びグルマだ。和製アバルトチューンをコンセプトとするカスタムは、遊び心にあふれた奇想天外なメニューのオンパレード。もちろん、そのすべてがヘンカタさんの手作り。イジる楽しさも、走らせる楽しさも、文字通りMAXの昭和の元気な2ストスポーツ。製作は約3カ月。「たいして速くはねーけど、おもしれーんじゃコイツ」と愛車に向かって目を細める。

【1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス Vol.3】

【2】から続く

 弱り切っていた個体を思わず購入し、ひとりで、しかもたったの3カ月で、今の姿まで仕上げたというのだから、その早業には恐れいる。そしてそれもまた、車体が小さく、肩の力を抜いてモディファイを楽しめる360ccの軽自動車だったからこそだろう。

「エンジンも1人でひょいと下ろせる。イジって遊ぶにゃ、ほんまにこの上のうおもしれークルマじゃ」とヘンカタさん。同じノスタルジックな愛車でも、ハコスカやレビンとはまったく違うワクワク感を、この小さな昭和の2ストスポーツに感じているようだ。


>>【画像23枚】色調合からすべてヘンカタさんの自作で、エンジンルームもボディ同色で、エンジンはもちろん、すべてのパーツを取り外して行われているオールペイントなど




>> ツインキャブ用のエアクリーナーを装着してシングルながらツインキャブ仕様を気取る。プラグコードは2T-G型用を流用し、こちらはダイレクトイグニション風にアレンジ。
 




>> 手動制御の電動ファンを追加装備。ラジエーター付近の導風板はアルミ材を用いた自作品で、エンジンの冷却に貢献している。
 


OWNER’S VOICE/次はワークス仕様のオーバーフェンダーに挑戦。こうご期待じゃ(笑)



TC24を積んだハコスカ、ワンオーナーで乗りつづける27レビン。他の2台の愛車とはまた違ったスタンスでフェローMAXとの旧車ライフを楽しむヘンカタさん。購入後の3カ月はこのクルマを仕上げることに没頭し、終業のベルとともにソソクサと会社を後にする日々が続いたとか。「確かに夢中じゃった」とヘンカタさん。オーバーフェンダーの装着、ハブを交換してのホイールの4穴化など、やりたいことはまだいっぱいあるそうだ。



1975年式 フェローマックス LB 1600 GT(TA27)
1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス(L38)
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:ブルーグレーオールペイント(板金塗装自作)、アバルトエンブレム
● エンジン:ZM型(水冷2サイクル2気筒横置き)
● 吸排気系:ツインキャブ風エアクリーナー、φ40mmステンレスマフラー
● 点火系:2T-G型用プラグコード&キャップ流用 ●冷却系:電動ファン増設
● タイヤ:ファルケン145/60R10 ●ホイール:ダイハツ純正あわせホイール10インチ(再塗装)
● 内装:ヤマハ製カート用シート、こたつ用座椅子(助手席)、MOMO製ステアリング、
CMR製タコメーター(10000rpm)、フロアパネル&フットレスト(自作)カーボン調ドア内張り


初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/ 清水良太郎(フォックス ブックス)

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