ヘンカタ流MAX|自作スペシャルは奇想天外なアバルト仕様!?|1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス Vol.1

ヘンカタ流MAXな自作スペシャルは、奇想天外なアバルト仕様!? 

       
このフェローMAXはご存じ岡山のカリスマプライベーター、「ヘンカタさん」のお遊びグルマだ。和製アバルトチューンをコンセプトとするカスタムは、遊び心にあふれた奇想天外なメニューのオンパレード。もちろん、そのすべてがヘンカタさんの手作り。イジる楽しさも、走らせる楽しさも、文字通りMAXの昭和の元気な2ストスポーツ。製作は約3カ月。「たいして速くはねーけど、おもしれーんじゃコイツ」と愛車に向かって目を細める。

【1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス Vol.1】

 ホンダのN360 、スズキのフロンテ、ミツビシのミニカと共にスポーツ軽自動車の人気をリードしたダイハツのフェローMAX。エンジンの最高出力でいえばフェローMAXが最強で、ツインキャブ仕様のZM5型2サイクルエンジンを搭載した初期モデルのSSタイプは、40㎰のピークパワーを発生し、4名乗車の状態によるゼロヨン加速19.8秒というカタログデータが残る。

 ヘンカタさんが所有するのは、そんなフェローMAXの後期モデルだ。2ストエンジンの最終型となり、同じZM5型でもキャブはシングルでパワーは33㎰と若干ひかえめ。ただ、高回転志向のツインキャブ仕様にくらべて低速からトルクがあって乗りやすく、街中ではこちらの方がキビキビ走れる。もちろんシングルキャブでも、あの甲高く小気味よい2ストロークエンジン特有のサウンドは変わらず、そしてヘンカタさんは、このクルマのサウンドが大のお気に入りだ。エンジンをかけ、ボンネットを開き、実際に愛車のエンジン音を聞きながら、「どう? ロータリーのペリフェラルポートチューンみたな音がしよるじゃろ、生意気に(笑)」と茶目っ気たっぷりに評する。ちなみにヘンカタさんは他にOS技研の元祖TC24を搭載したハコスカや、40年に渡り付き合うTE27レビンを所有しており、フェローMAXにはパワーや走りの性能をあまり求めてはいない。


>>【画像23枚】追加装備された手動制御の電動ファンなど。ラジエーター付近の導風板はアルミ材を用いた自作品で、エンジンの冷却に貢献している




>> ボンネットピンとパワーバルジにつけられたルーバーはダミー。ボンネットは浮かせた状態にしてエンジンルームの冷却性アップを狙う。





>> ボディ下からのぞいているのはチャンバー部分。これを耐熱ペイントで白に塗りあげ存在感をアップしレーシングな雰囲気に!





>> マフラーは自作品。ステンレス材で仕上げた本格マフラーで太さはφ40mmだ。テールの少し手前まで耐熱ペンントで塗られている。





>> リアにもアバルトのエンブレム。当時を知らない世代のクルマ好きは、本当にアバルトチューンと思うかもしれない。


1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス(L38)
SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:ブルーグレーオールペイント(板金塗装自作)、アバルトエンブレム
● エンジン:ZM型(水冷2サイクル2気筒横置き)
● 吸排気系:ツインキャブ風エアクリーナー、φ40mmステンレスマフラー
● 点火系:2T-G型用プラグコード&キャップ流用 ●冷却系:電動ファン増設
● タイヤ:ファルケン145/60R10 ●ホイール:ダイハツ純正あわせホイール10インチ(再塗装)
● 内装:ヤマハ製カート用シート、こたつ用座椅子(助手席)、MOMO製ステアリング、
CMR製タコメーター(10000rpm)、フロアパネル&フットレスト(自作)カーボン調ドア内張り

【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 ダイハツ フェローマックス デラックス(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/ 清水良太郎(フォックス ブックス)

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