室内の仕立ても商用モデルとは一線を画すキャラバンコーチ|ワンボックスパラダイス|1979年式 日産 キャラバン コーチ スーパーデラックス 9人乗り Vol.2

ステアリングがFLAT4のGTウッドに交換されている以外はオリジナルのインパネ。ダッシュボードの割れはなく、状態が非常に良い。

       
商用モデルのバンをベースにエンジンを運転席の下に搭載するキャブオーバーのワンボックスカー。
その代表格で多人数乗車のレジャービークルという新たな価値をもたらしたのがハイエースとキャラバンだ。
今回は本誌でもあまり取り上げてこなかったこの2台の魅力の扉を開いてみよう。

【1979年式 日産 キャラバン コーチ スーパーデラックス 9人乗り Vol.2】

【1】から続く

 E20の特徴のひとつがスタイリングだ。ワゴンとはいえ成り立ちは商用車をベースとした箱形フォルム。そのため、この手のモデルはどうしてもあか抜けない。しかし、E20はスライドドアレールを隠すためのボディを一周するモールや、低いヘッドライトの位置で視覚的に低く見える全高がスタイリッシュ。さらに、1978年のマイナーチェンジでフロントデザインをブラッシュアップ。丸形4灯ヘッドランプに四角い枠が付き、メッキグリルも変更され、よりシャープな印象へと生まれ変わった。

 一方、室内は箱形スタイルの恩恵を十二分に生かし、3列のシート配列でも足もとも頭上もゆとりは十分。また、室内の仕立ても商用モデルとは一線を画す。とくに上級のスーパーデラックスは、シート生地に起毛トリコットを採用したぜいたくなものだった。


>>【画像36枚】フロントのバイザーは希少な純正アクセサリー。社外品に交換しているサイドミラーなど




右にスピード、左に燃料および水温を配置したセパレートのメーターは後期から。前期は一体でスピードメーターは扇状。





助手席グローブボックス下に設置されたつり下げ式クーラーはオプション装備。





コーチには9人乗りと10人乗りが設定され、前者は3-3-3の3列、後者は3-2-2-3の4列というシート配列。9人乗りは2〜3列目がフラットにできる。カーテンは社外品。





後席用にヂーゼル機器製のクーラーを後付け。




1979年式 日産 キャラバン コーチ スーパーデラックス 9人乗り(KPSE22GA)
SPECIFICATION 諸元
全長 4310mm
全幅 1690mm
全高 1905mm
ホイールベース 2350mm
トレッド前/後 1385 / 1390mm
最低地上高 175mm
室内長 3110mm
室内幅 1525mm
室内高 1280mm
車両重量 1420kg
乗車定員 9名
登坂能力 0.39°
最小回転半径 4.9m
エンジン型式 Z20型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量 1952cc
ボア×ストローク 85.0×86.0mm
圧縮比 8.5:1
最高出力 105ps / 5200rpm
最大トルク 16.5kg-m / 3200rpm
燃料供給装置 キャブレター
燃料タンク容量48L
変速機 前進4段 / 後退 1段
ステアリング形式 ボールナット
サスペンション前/後 トーションバー / 半楕円リーフ
ブレーキ前/後 ツーリーディングドラム / デュオサーボドラム
タイヤ前後とも 6.00-14-6PRLT
発売当時価格不明

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年6月号 vol.181
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1979年式 日産 キャラバン コーチ スーパーデラックス 9人乗り(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : REO NAKAMURA/中村レオ

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