フードのスリーダイヤが誇らしげ! ドイツのチューナーAMGが手掛けた、異彩を放つ新型フラッグシップセダン|1992年式 三菱 デボネア V 3000 ロイヤル AMG Vol.1

大迫力かつ個性的なフロントビューを決定づけるAMGの大型フロントグリル。前期は左上部に「MMC」のエンブレムが付けられていた。また、フードマスコットは1989年の改良で「V」マークからスリーダイヤモンドに。

       
【1992年式 三菱 デボネア V 3000 ロイヤル AMG Vol.1】

 フルラインターボを旗印に、軽自動車から上級車まで次々とターボエンジンを投入した三菱。先頭に立ってターボ軍団を率いたのがスタリオンで、イメージリーダーの役を見事に果たし、ランサーターボなどとともに一定の人気を集め、1980年代を代表する一台となった。しかし、スタリオンはあくまでも騎士。激動の80年代を乗り越えるためには、強力な騎士だけでなく、メーカーを象徴する王の存在が必要だった。当時、フラッグシップたる王の座には初代デボネアが座っていたが、22年ものモデルライフを送っていた老体。三菱は新たな王の誕生を模索していた。とはいえ、新たなフラッグシップの開発となるとシャシーやエンジンまで含めて大幅な刷新が必須で、莫大な開発費を投じなければならない。いくらフルラインターボ攻勢により一定の成功を収めていたとはいえ、そこまでの余裕は当時の三菱にはなかった。

>>【画像20枚】AMGのエンジンは3L V6のみだが、標準車には2L V6 SOHCと2L V6 SOHCスーパーチャージャーも搭載。3L V6は150psのSOHCでスタートし、1989年のマイナーチェンジで200psのDOHCを追加。SOHCは後期で155psに、DOHCは1991年の改良で210psにパワーアップしたデボネアVのエンジンなど



AMGの刻印が入った専用のフロントバンパー。モール部分が大型化されているのも特徴。





サイドステップもAMG専用。リアフェンダー部分にAMGのロゴが入る。





一体成型のフルドアやオペラウインドーを備えた6ライトキャビンにより、風格あるスタイルを実現。AMGのボディカラーはサラエボホワイトのみの設定となる。





小振りだがリアビューの印象をガラリと変えるリアスポイラー。エアロパーツはベース車の直線的なボディラインに合わせてデザインされているが、まったく違うクルマであるかのような仕上がりだ。




一体成型のフルドアやオペラウインドーを備えた6ライトキャビンにより、風格あるスタイルを実現。AMGのボディカラーはサラエボホワイトのみの設定となる。

1992年式 三菱 デボネアV 3000ロイヤル AMG(S12A)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4860×1725×1425
ホイールベース(mm)  2735
トレッド前/後(mm) 1455 / 1420
車両重量(kg)  1620
エンジン型式  6G72型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2972
ボア×ストローク(mm) 91.1×76.0
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 210 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 27.0 / 3200
変速比 1速 2.551 / 2速 1.488 / 3速 1.000 / 4速 0.685 / 後退 2.176
最終減速比 4.376
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / 3リンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205 / 65R15(前後とも)
発売当時価格 498.5万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1992年式 三菱 デボネア V 3000 ロイヤル AMG(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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