その名は「MR」。ギャラン GTOシリーズ唯一のDOHC搭載グレード 〜2016〜|1970年式 三菱 ギャラン GTO MR

グリルは初期型のみメッキでマイナーチェンジ後はグレーとなる。コルトとは若い雄馬の意味。センターのエンブレムには馬の姿がある。

       
【1970年式 三菱 ギャラン GTO MR Vol.1】

 三菱ギャランGTOは、1969年秋の東京モーターショーにギャランクーペGTX-1として登場、翌70年の10月に発売が開始された。GTO発売の前年である69年12月に登場したコルトギャランが、ウエッジシェイプを強調したヨーロッパ調のセダンボディであるのに対し、GTOはマスタングをイメージしたようなアメリカンスタイルのスポーティーなファストバックボディを採用。同クラスのTA20系トヨタセリカがライバルといえる。


逆スラントのノーズ。ボンネット上のダクトはダミーで、エンジンルームまでは貫通していない。ボディカラーはロッキーホワイト。
 

4G32型、1597cc DOHCを搭載した三菱 ギャラン GTO MR。
 

 エンジンは三菱が新開発した直列4気筒1.6Lの4G32型を搭載。三菱のエンジン型式には規則性があり、頭の数字が気筒数、次のアルファベットが燃料区分(Gはガソリン)、2桁の数字の頭がそのエンジンの系統、最後の数字はそのモデル内での排気量区分を示している。ただし、4G32は1.6Lなのに対し4G62では1.8Lというふうに、排気量区分の数字は必ずしも統一されてはいない。そして4G32型には同じエンジン型式でSOHCとDOHCが存在する。それがギャランGTO MRのみに設定されたDOHCの4G32だ。




 

 
▶▶▶【画像23枚】初期型のフロントフェンダーサイドに装着されていた小型の「MR」エンブレムなど


 基本グレードであるMⅠがSOHCのシングルキャブ、MⅡは同じくSOHCだがSUのツインキャブを装着。そして、最上級グレードであるMRにのみ8バルブのDOHCヘッドがおごられ、ソレックスのツインキャブが装着されている。


【2】に続く

1970年式 三菱 ギャラン GTO MR(A53C)
Specifications 主要諸元
全長4125mm
全幅1580mm
全高1310mm
ホイールベース2420mm
トレッド前/後1295mm/1285mm
最低地上高165mm
室内長1620mm
室内幅1300mm
室内高1075mm
車両重量980kg
乗車定員5名
最高速度200km/h
登坂能力sinθ0.48
最小回転半径4.6m
エンジン型式4G32型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1597cc
ボア×ストローク76.9×86mm
圧縮比9.5:1
最高出力125ps/6800rpm
最大トルク14.5kg-m/5000rpm
変速比1速3.197/2速2.043/3速1.273/4速1.000/5速0.845/後退3.720
最終減速比4.222
燃料タンク容量55L
ステアリング形式バリアブルボールナット
サスペンション前/後独立懸架ストラット/リーフリジッド
ブレーキ前/後ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも165SR13
発売当時価格112.5万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 三菱 ギャラン GTO MR(全3記事)

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photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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