美しいコンパクトクーペが、3連独立チャンバーでパワーアップ!|1971年式 スズキ フロンテ クーペ GXCF Vol.3

注目の3連独立チャンバーは何度も作り直して完成したワンオフ品。チャンバー機能はもちろん、エンジンの整備性や美観にも徹底的にこだわった山森代表渾身の作品。エンジンパワーを引き出すとともに、飛び切りの存在感を放つチャンバーとなった。

       
【1971年式 スズキ フロンテ クーペ GXCF Vol.3】

【2】から続く

 車体から降ろししてバラしたエンジン。LC10W型3気筒エンジンは、シリンダーの状態確認からひとつずつ丁寧にチェック。パーツはオリジナルを重視し、使えるものは再利用する方針で組み上げた。歪み修正、バランス取りなどを経てパーツは組み込まれていった。



 傷ついたシリンダーはφ52mmからφ55mmにボアアップ、ほぼ限界といえるオーバーサイズ化だ。2ストチューンのマストメニューとなる1次圧縮を上げる加工を施し、同時に高圧縮化に伴うノッキング対策も確実に行う。ここまでで排気量は40ccのアップ、パワーは4psの上乗せとなった。さらに、キャブは純正をベースに、ニードル加工、ファンネル化、インマニの段付き修正などで吸入効率の向上を図る。



機能性、ビジュアル、整備性の3大テーマを掲げ製作された3連独立チャンバーは、エキマニ、チャンバー、サイレンサーに3分割できるシステムになっている。
 


>>【画像31枚】シャシーとボディのわずかな隙間に美しくレイアウトされた3連独立チャンバーなど。厚めのステンレスが使われており、耐久性や音質もハイレベル



3連のサイレンサーを縦向きにセットする。ちなみにマフラーはあくまでこの部分で、チャンバーはエンジンの一部として機能する。
 
1971年式 スズキ フロンテ クーペ GXCF(LC10W)
SPECIFICATION 諸元
● エンジン:LC10W型改400cc仕様、アドレス110用ピストン
● 点火系:CDI、MSD
● 吸気系:キノコタイプエアクリーナー
● 排気系:ワンオフ3連独立ステンレスチャンバー
● 冷却系:ラジエーターコア増し、電動ファン追加
● ブレーキ:エンドレス製ブレーキパッド
● タイヤ:ブリヂストンRCOT SF-248 145SR10
● ホイール:スズキ純正スチール 10インチ



初出:ノスタルジックスピード 2018年5月号 vol.016
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 スズキ フロンテ クーペ GXCF(全3記事)

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【1】【2】から続く

photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 シリーズタグ:

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