レクサスから2JZ‐GE型をスワップ! エアコン、パワステ、メンテのしやすさや乗り心地の向上を狙う|1970年式 トヨタ クラウン Vol.3

苦労して見つけた外板は板金作業でまっすぐに修正。オリジナルのガンメタリック塗装で、独特の重厚感も生み出している。

       
多くの日本車が走るアメリカ西海岸においてさえ、トヨタ クラウンはかなりレアな存在だ。その希少性とデザイン性から、
彼の地の旧車好きの間では、密かに注目を集めている。エンジンスワップや最新のアフターパーツを使ったレストモッドを実現した、
アメリカでもまずお目にかかれない、S50クラウンを紹介しよう。

【1970年式 トヨタ クラウン Vol.3】

【2】から続く

 毎回、ジャネットさんのクルマのチーフビルダーを務めているデュエイン・トモノさんが、今回のクラウンで提案したコンセプトが「プロ・ツーリング」。古いアメ車を最新のアフターパーツでレストモッドする手法のことだが、ホットロッド好きのデュエインさんが、それを日本車であるクラウンに導入しようと考えたのだ。
 女性であるジャネットさんが快適に街乗りできるレストモッドということで、パワステとR134aのモダンな空調システムの導入も早々に決定。パワステは1982年式のカローラからポンプなどのユニットを移植した。

 エンジンは1992年式のレクサスSC300から移植した2JZ‐GE型をカスタムマウント。とはいえ、エンジンスワップにしろ、サスペンションを1からファブリケートしていることにしろ、速さよりもどちらかといえばメンテのしやすさや乗り心地の向上が主たる目的というのが面白い。

 およそ2年の製作期間を経て、快適、快速に生まれ変わったクラウン。あえて純正のまま残した大径のステアリングを握って、ジャネットさんは日々のストリートドライブを楽しんでいる。

>>【画像20枚】前後のホイールは、18インチのエンケイTENJINなど



2JZ-GE型直列6気筒エンジンは、オイルパンがクロスメンバーに干渉するため、日本仕様のオイルパンへ変更。トランスミッションは3速ATのままで、カスタムのプロペラシャフトを使って純正ギア比4.11のリアエンドに接続。ECUの接続にはPainless Wiringシステムを使用した。ラジエーターのトップマウントはチタン製。






Injenのラムエアインテークを装備。






OBXのエキマニをベースにシャシーとの干渉を避けるため取り回しを修正。





日系アメリカ人であるジャネット・フジモトさんは、根っからの日本車フリーク。これまでAE86やMR2をはじめ、S2000、S13シルビア(240SX)なども所有した経歴を持つ。



1970年式 トヨタ クラウン(MS50)
SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:リクロームバンパー、レストアステンレス&クロームモールディング、ガンメタルペイント、レストアラバーモールディング、キーレスリモートドアロック&セキュリティ
■エンジン:2JZ-GE型エンジン、カスタムモーターマウント&トランスミッションマウント、
 Painnless Performance Productワイヤリングシステム
■吸排気系:OBX Racing Sportsエキゾーストマニホールド、Magnaflowエキゾーストシステム
■点火系:OPTIMAハイパフォーマンスバッテリー ■冷却系:KOYOラジエーター、SPALデュアルファン
■サスペンション:QA1カスタムコイルオーバー
■ブレーキ:ブレンボカスタムフロント4ピストン&リア2ピストンブレーキ、アップデートブレーキブースター&マスターシリンダー
■インテリア:Dynamatインストール、レストアヘッドライナー&カーペット、シートトリム張り替え、
 カスタムメータークラスター、Auto Meterゲージ、Vintage Airヒート&エアコンディショニングシステム
■タイヤ:ヨコハマS.drive (F)225/40R18 (R)245/35R18 ■ホイール:ENKEI TENJIN 18インチ

初出:ノスタルジック スピード 2018年2月号 vol.015
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 トヨタ クラウン(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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