自身のルーツである日本の伝統的なサルーンに乗りたい|1970年式 トヨタ クラウン Vol.2

クロームとガンメタが織り成すモノトーンな色調にこだわったジャネットさん。バンパーはリクロームし、グリル、フェンダー、ボンネットなども新調。ラバーモールもすべて交換している。

       
多くの日本車が走るアメリカ西海岸においてさえ、トヨタ クラウンはかなりレアな存在だ。その希少性とデザイン性から、
彼の地の旧車好きの間では、密かに注目を集めている。エンジンスワップや最新のアフターパーツを使ったレストモッドを実現した、
アメリカでもまずお目にかかれない、S50クラウンを紹介しよう。

【1970年式 トヨタ クラウン Vol.2】

【1】から続く

 そんな中、カリフォルニア在住の日系アメリカ人、ジャネット・フジモトさんは1970年式のS50クラウンを購入。アメリカでは珍しい存在というのが一番の理由だが、自身のルーツである日本の伝統的なサルーンに乗りたいという気持ちもあったという。

 クラウン以外にも、かつてはAE86やMR2など、多数の日本車を所有し、モディファイも楽しんできたジャネットさん。クラウンに関しては、いつも以上に内外装のパーツを見つけることに苦労したそうだ。アメリカ国内はもちろん、日本やオーストラリアで売られている部品も探した結果、集めたステンレスパーツは約140点にのぼった。

>>【画像20枚】オイルパンがクロスメンバーに干渉するため、日本仕様のオイルパンへ変更し搭載された2JZ-GE型直列6気筒エンジンなど





状態のよくなかったダッシュパッドは、純正品を見つけられなかったため、メタルトップを製作。フロアにはDynamatを敷き詰めて、静粛性を高めている。純正のドアパネルにもきれいにトリムが張られた。アフターへの変更も検討されたステアリングホイールは、「クラウンのエンブレムが付いているから」ということで、そのまま維持することになったそうだ。




純正クラスターにAutoMeterのゲージを装着。






Vintage Airのエアコンディショニングシステムを導入。パワステを含めて快適装備の充実ぶりが女性オーナーらしい視点だ。





フロントシートは純正のフレームにサイドサポートを加えた上でトリムを張り替えている。後ろにクラウンのエンブレムが入ったオリジナルのヘッドレストも使用。



1970年式 トヨタ クラウン(MS50)
SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:リクロームバンパー、レストアステンレス&クロームモールディング、ガンメタルペイント、レストアラバーモールディング、キーレスリモートドアロック&セキュリティ
■エンジン:2JZ-GE型エンジン、カスタムモーターマウント&トランスミッションマウント、
 Painnless Performance Productワイヤリングシステム
■吸排気系:OBX Racing Sportsエキゾーストマニホールド、Magnaflowエキゾーストシステム
■点火系:OPTIMAハイパフォーマンスバッテリー ■冷却系:KOYOラジエーター、SPALデュアルファン
■サスペンション:QA1カスタムコイルオーバー
■ブレーキ:ブレンボカスタムフロント4ピストン&リア2ピストンブレーキ、アップデートブレーキブースター&マスターシリンダー
■インテリア:Dynamatインストール、レストアヘッドライナー&カーペット、シートトリム張り替え、
 カスタムメータークラスター、Auto Meterゲージ、Vintage Airヒート&エアコンディショニングシステム
■タイヤ:ヨコハマS.drive (F)225/40R18 (R)245/35R18 ■ホイール:ENKEI TENJIN 18インチ

【3】に続く

初出:ノスタルジック スピード 2018年2月号 vol.015
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 トヨタ クラウン(全3記事)

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【1】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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