「加工が必要なアフターパーツよりも、基本ポン付け可能な純正流用が好き」|日産 スカイライン 2000 GT

L28型改3.0LをMoTeCで制御。

       
20年近くにおよぶS130Zのプライベートチューンで培われたノウハウを、余すところなく投入。約5年の歳月を費やし、オンリーワンのチューニングを追い求めてきたオーナー。それまでのソレックスからインジェクションへと変更されたヨンメリは、L28改3.0L。一見控えめなスペックにもかかわらず、同じL型同士のドラッグレースでは、より排気量の大きなマシンにも引けを取らないタイムをマークする。そんなこだわりのヨンメリチューンの全ぼうに迫る。

【日産 スカイライン 2000 GT Vol.3】

【3】から続く

 旧車では必ずといっていいほど発生している、バッテリー受け皿下のサビの処理に加え、不要なねじ穴はハンダ溶接やポンチで切り出した鉄板でスムージング。その上で再塗装することで、新車時以上では? と思えるほど、すっきりと美しいエンジンルームに仕上がった。もちろん、リレーやヒューズボックスの室内への移設など、今や旧車チューンの定番となった手法も、取り入れているのはいうまでもない。また純正パーツを流用した等速ジョイントやフロントハブ、ブレーキ系などの足回りは「加工が必要なアフターパーツよりも、基本ポン付け可能な純正流用が好き」というオーナーの好みや経験に基づくものである。

>>【画像36枚】RBスカイラインから流用したタコメーター。現代的なオレンジの針が気に入らず、ヨンメリ純正に替えてみたが、重さの違いから動きが悪くなってしまい、泣く泣く使用したRB純正針など



取材直前に、それまでのソレックスから、ライジング製のφ55mmスロットルを使ったスポーツインジェクションへと仕様変更。燃料の配管はもちろんインジェクターの配線に至るまで、すべて自身の手によるもの。





イグナイターを内蔵したRB型のNEO6純正イグニッションコイルを流用。ステンレスの板で隠され、あまり見えないが、このコイルのハーネスは、ミリ単位で長さにこだわり自ら製作。










シンプルにこだわった外装でも中身は 独自のアイデアとノウハウがぎっしり


日産 スカイライン 2000 GT(GC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:フロントスポイラー
■ エンジン:L28型改3L仕様(2947cc)、燃焼室ハート形加工(35.4cc、圧縮11.5:1)、ワコー製75Sカムシャフト(9.8mmリフト)、ビッグバルブ(INφ46mm、EXφ38mm)、φ89mmピストン(ピンハイ29mm)、ASW製I断面コンロッド(140mm)、L28型用純正クランク(フル加工)、240Z輸出用カムカバー、ランマックス製オイルフィルター
■ 点火系:RB26型用ダイレクトイグニッション(NE06)
■ 吸気系:ライジング製スポーツインジェクション、370ccインジェクター
■ 制御系:MoTeC M84
■ 排気系:亀有製φ45mm6-2タコ足、ラバーソウル製φ50mmデュアルマフラー
■ 冷却系:ケンメリ純正ラジエーターファン加工(4枚羽)
■ 燃料計:ボッシュ製燃料ポンプ、東名製燃圧レギュレーター
■ 駆動系:OS技研ストリートマスター、R32タイプM用71Cクロスミッション(L型用ベルハウジング)、R200LSD(ファイナル4.1)、ジャパンターボ用等速ジョイント
■ 足回り:(F)スターロード製フルタップ車高調(8kg/mm)、S130Z用ハブ (R)KYB製ショック、スプリング(20kg/mm)、エナジー製ブッシュ
■ ブレーキ:ジャパン用マスターシリンダー (F)エンドレス製スリットローター (R)S30Z用アルフィンドラム(フィン加工)
■ タイヤ:ダンロップ・ルマン704 185/60R14
■ ホイール:RSワタナベ(マグ) (F)14×8J -6 (R)14×8.5J +13
■ 内装:R32用タコメーター、PLX製A/F計、亀有製追加メーター(油圧、油温、水温、燃圧)

【4】に続く


初出:ノスタルジックスピード 2018年2月号 vol.015(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン 2000 GT(全4記事)

関連記事: 熱狂のL型チューンド!!

関連記事: スカイライン


【1】【2】から続く

text : SHINYA KUSHIURA/串浦愼哉 photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING