パワートレインがエスハチと共通! その軽やかな走り、商用バンとあなどるなかれ|1967年式 ホンダ LM800

ボディは2ドアの設定のみ。このボディカラーはサックスブルーメタリック。

       
昔は各自動車メーカーから、多くの乗用車型商用バンがラインナップされていた。
普段は乗用車のように乗れ、いざとなれば多くの荷物を積むことができる働き者たち。
今あらためて彼らの姿を見ると、懐かしい昭和の風景を思い出さずにいられない。

【1967年式 ホンダ LM800 Vol.3】

【2】から続く

 L800では、S800とエンジン本体、ミッション、デフ(リジッドタイプ)が共通化されており、これはコスト削減を意識したものと考えられた。

 しかしそれ故にLはSの部品取りとなり、現存台数が極端に少ないのではないか、という考察も成り立つ。

 そんな悲運のLM800を自らの手でレストアし、愛用するオーナーがいる。静岡県在住のオーナーは、これまでもホンダバモスやTNトラックなど、ホンダ系空冷360cc車のレストアを楽しんできたマニアだ。

 手に入れたときは鉄くず寸前の状態であり、希少性を見抜ける人がいなければ、鉄素材としてリサイクルされていたことだろう。オーナーは4年の歳月をかけ、LM800の再生に成功する。その仕上がりの美しさは写真から感じ取ってほしい。

 復活なったLM800。商用バンとあなどるなかれ。その軽やかな走りは、ホンダスポーツを彷彿とさせる。

>>【画像25枚】5穴のエスハチとは異なり、4穴となるPCD110で12インチの純正ホイールなど


OWNER’S VOICE/どうしても乗りたかった.


これまで何台もの旧車を復活させてきたオーナー。普通の会社員だが、仕事が休みの日曜日を使い、コツコツとレストアを楽しんでいる。完成したLMで昨年11月のお台場旧車天国にも自走で参加。自分で直し、走って楽しむレストアラーである。




譲り受けた時の状態。全体のサビのみならず、エンジン、ミッション、デフが抜かれており満身創痍。部品取り車があったため、主要部品は移植している。





ボディとフレームの別体構造がよくわかる。


1967年式 ホンダ LM800(AL800)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3690mm
全幅 1485mm
全高 1400mm
ホイールベース 2195mm
トレッド前/後 1200 / 1190mm
最低地上高 165mm
客室荷台内長 1235mm
客室荷台内幅 1190mm
客室荷台内高 845mm
車両重量 800kg
乗車定員 2(5)名
最大積載量 400(ー)kg
最高速度 130km / h
最小回転半径 4.0m
登坂能力sinθ 0.383
エンジン型式 A800E型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
排気量 791cc
ボア×ストローク 60.0×70.0mm
圧縮比 9.0:1
最高出力 58ps / 8000rpm
最大トルク 6.3kg・m / 4500rpm
変速機 コラム式前進4段後退 1段フルシンクロ
ステアリング形式 ボールナット
サスペンション前/後 マクファーソン型独立懸架 / リジッド・リーフ
ブレーキ前後とも ドラム
タイヤ前/後 5.00-12 4PR / 5.00-12 6PR
発売当時価格 43.8万円

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 10月号 Vol.177(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 ホンダ LM800(全3記事)

関連記事: 商用バンの追憶

関連記事: ホンダ


関連記事: 商用車


【1】【2】から続く

photo:SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING