大切にされてきた未再生のGTVに、STから乗り換え。強心臓「2T-G型」で、赤城山までドライブ 〜2016〜|1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV

強心臓DOHCを搭載したGTV。

       
1969年10月、トヨタ自動車は東京晴海の見本市会場で開催された第16回東京モーターショーに、アドバンス・カーであるEX-1を展示した。このコンセプトモデルを基に翌1970年10月に登場したのが、当時のトヨタの先進性を集結して開発された初代セリカだ。

【1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV Vol.3】

【2】から続く

 このGTVを所有しているオーナー。もともとは友人からSTを譲り受けて所有していたが、約1年前にこのGTVに出合って乗り換えを決意したという。

「DOHCエンジンに乗ってみたかったのと、レストアしていない未再生車というところが気に入って購入を決めました。その時に履いていた純正タイヤとホイールも車庫に保管してあります。今は年に数回、旧車に乗る仲間たちと赤城山までドライブするのが楽しみです」とオーナー。

 低回転域で粘り強い特性を持つ強心臓2T-G型エンジンを快調に回し、仲間が乗るブルーバードやコロナ、コンテッサとともに赤城山の勾配のキツい上り坂を軽快に駆け上がる。

「本当に調子よく走っているので、現状のコンディションを維持して大切にしていきたいと思います」

 現存するセリカは存在しても、モディファイやレストアされていることが多く、フレームやボディカラーまで当時のまま維持されている個体は今となっては希少である。現オーナーも屋根付きの車庫に入れて大切にし、今後も仲間たちとドライブに出かけ、旧車ライフを楽しんでいくそうだ。


▶▶▶【画像22枚】GTVのロゴとともにシンボルである一角獣(UNICORN)が描かれるサイドデカールなど


 オーナーが購入を決意した要素の1つが未再生車だったこと。これまでワンオーナーか2オーナーが乗り継いでいるようだが、ボディやフレームのコンディションの良さはもちろん、純正の鍵まで3本揃っており、歴代オーナーから大切にされてきたことがうかがえる。これからも末永く後世に残していってほしい名車セリカ1600GTVである。



運転席側のダッシュボードは中央部が盛り上がったデザイン。計器類はすべてドライバー方向を向き、無反射ガラスを採用している。





GTVには標準で5速段ミッションが採用される。最適なファイナルギアレシオにより、素晴らしい加速力を得ている。各ギアの守備範囲が広いため操作性が良いのも特徴だ。





GTVのシート表張りはニットテープヤーンを採用。バケットタイプのフロントシートはヘッドレスト一体式となる。内部に金属バネではなくゴム板バネを採用し、ウレタンを何枚も重ねてあるため、身体にフィットして快適な座り心地を実現する。




【1】【2】から続く



1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV(TA22)
Specification 諸元
全長 4165mm
全幅 1600mm
全高 1300mm
ホイールベース 2425mm
トレッド前/後 1300 / 1305mm
最低地上高 165mm
室内長 1625mm
室内幅 1330mm
室内高 1060mm
車両重量 965kg
乗車定員 5名
最高速度 190km / h
登坂能力 sinθ0.61
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 2T-G型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85×70mm
総排気量 1588cc
圧縮比 9.8:1
最高出力 115ps / 6400rpm
最大トルク 14.5kg-m / 5200rpm
変速 機オールシンクロメッシュ 前進5段 / 後退 1段
変速比1速 3.587 / 2速 2.022 / 3速 1.384 / 4速 1.000 / 5速 0.861 / 後退 3.484
最終減速比 4.100
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 マクファーソン・ストラット式コイルスプリング / 4リンク・ラテラルロッド付コイルスプリング
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 185 / 70HR13
発売当時価格 87.5万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ セリカ 1600 GTV(全3記事)

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photo : EIJIRO AKIMOTO/秋元栄二郎

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