新時代の幕開け。大きな変貌を経るライバルたち【90年代〜21世紀編】|セドグロ vs クラウン宿命の好敵手  Vol.4

Y51 フーガ と 14代目 S210 クラウン

       
時代を超えてしのぎを削る宿命の好敵手

日本のモータリゼーションを牽引してきた
クラウンとセド・グロ両車の戦いは初代の誕生以来、
お互いを強く意識しながら世代と時代を超えて戦い続けて来た

【セドグロ vs クラウン宿命の好敵手  Vol.4】

【3】から続く

 90年代に入るとフラッグシップのセルシオとシーマが登場したことで、両車ともにパーソナルサルーンの色を濃くしていく。1979年の430とS110系デビューから4年周期で同時にフルモデルチェンジを繰り返してきた両車の戦いは、1999年のY34とS170系まで、じつに6世代に渡ったのだった。

 21世紀に入ると新時代の幕開けを感じさせるように、両車ともに大きな変貌を遂げた。まずクラウンはエンジンからシャシーまでメカニズムを一新し、スポーティーなスタイルや高水準の走行性能、アスリートを本格的なシリーズとして展開するなど、保守的なイメージの払拭に成功。通称〝ゼロ・クラウン〟と呼ばれるこのモデルは新しい高級車像に挑んだ意欲作となった。また、続くS200系では、そのコンセプトを受け継ぎつつ、ハイブリッドを新たなシリーズに迎え入れている。

 一方のセド・グロは、20世紀が終わりを告げたのと同様に両車の車名が消滅。その後継として、日産はフーガを誕生させた。このフーガは本格的なグローバルモデルである。よりダイナミックな走りとスタイリングを手にしたことで、世界でも高い評価を得た。2代目ではフーガらしさを高純度化するとともに、ハイブリッドも設定した。

▶▶▶【画像27枚】12代目 S180系 クラウンなど

 このように初代の誕生から火花を散らしてきた両モデル。だが、それは敵対するものではなく、自身を高めてくれる好敵手である。互いを認め、リスペクトする想いがあるからこそ、その関係は50年以上も続き、日本の自動車を発展させるリーダーであり続けたのだ。



セドリック 8代目 Y32 1991年6月





フーガ Y51 2009年11月





クラウン 9代目 S140 1991年10月


クラウン 14代目 S210 2012年12月


初出:ハチマルヒーロー 2014年 11月号 vol.27(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

セドグロ vs クラウン宿命の好敵手 (全3記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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