屋外駐車、レストアなし。20年これだけの状態を維持する努力|1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT  Vol.3

サビの出やすいドア下部やリアフェンダー下は板金処理をしているものの、大がかりなレストアは一切なしで、このコンディションをキープ。ボディカバーこそかけているものの、野外駐車場に保管しているというから驚きだ。

       
【1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT  Vol.3】

【2】から続く

 オーナーが28歳になった頃、ようやくクルマの購入資金が貯まり、購入したケンメリ。失敗を恐れずになんでも挑戦して言ったオーナーは、25年のうちにエンジンは計6回、ミッションは計4回も載せ替えている。

 クルマいじりを身体で覚えてきたこともあってか、解体屋で何か使えそうな部品を見つけると、とりあえず手に入れておくクセも染みついていった。その結果、自宅には貴重なお宝パーツが大量にストックされている。例えば、ケンメリ用のメーターパネルは、各年代&グレードがすべて揃っている。

「10年ほど前に峠でハデに事故ってしてしまい、左フロントの足がゴッソリちぎれてしまいました。その際もストック部品を寄せ集めて修復できました」というからプロショップも顔負けだ。

 週に1〜2回はケンメリに乗るというオーナーだが、走った後の洗車は欠かさず、タイヤハウスの内側、デフケースまでピカピカに磨き上げる。さらにイベントなどに出向く際は、カムカバーやホイールも外して1週間がかりでキレイにするというほどの念の入りよう。あまりに磨きすぎて、キャブ上面にある「SOLEX」の文字が薄くなってきてしまった……といえば、どれだけ気合いを入れて磨いているか想像できるはず。20年以上もの間、レストアなしにこれだけの状態を維持している裏側には、そうした愛情と努力がある。


ダッツンコンペのステアリングなど【写真17枚】



アルミ調のメーターパネルはもちろん、240km/hスケールのスピードメーターや1万rpm仕様のタコメーター、10kg/㎠表示の油圧計など、入手困難なGT-R用を移植。





ステアリングはダッツンコンペで、ケンメリ用のホーンボタンを加工してドッキングした。ダッシュボードにはヒビ割れもなく美しいコンディションを保つ。





当時もののパイオニア製スピーカーは、樹脂のグリル部分が割れてしまったので、自分で網を張り替えた。見た目は当時風だが、中身は新しいスピーカーに変更して楽しんでいる。



【4】に続く

1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:フルGT-R仕様
(オーバーフェンダー、リアスポイラー、白ガラス、前後エンブレム、グリル)
■ エンジン:L28型改3L仕様、ソレックス44PHH、φ89mmピストン、亀有製強化スプリング、まつおか製74度加工カム、ワコー製シルバーコイル、亀有製ツインアイドラギア、永井電子機器製ウルトラ特注プラグコード、パーツアシスト製等長タコ足、プロテック製特注マフラー、ニスモ製強化オイルポンプ
■ 冷却系:純正流用3層ラジエーター、自作ヒートプレート
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、軽量フライホイール、DR30用ミッション、R200 LSD
■ 足回り:(F)ハコスカレース用改車高調、8kg-mmスプリング、AE101用TRD製レース用ダンパー、クスコ製ピローアッパーマウント (R)ビルズ製20段調整式ダンパー、プロテック製20kg-mmスプリング、GT-R用リアロワーアーム
■ ブレーキ:(F)流用キャリパー、φ300mmローター (R)純正GT-R用改
■ 内装:GT-R純正仕様、ダッツンコンペステアリング&レース用バケットシート
■ タイヤ:TOYOプロクセスT1R(F)205/50R15 (R)225/50R15
■ ホイール:パナスポーツG7 (F)15×8.5J -20 (R)15×10J -40


初出:ノスタルジックスピード 2016年 3月号 vol.009(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT (全4記事)

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text:DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo: MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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