いきなり285psをマーク! セッティングでどこまで伸びるか?|1969年式 スカイライン 2000 GT-R|ヴィンテージスピードパワーチェック Vol.5

チューンドS20型エンジンを本気チェック! 2台のパワーチェック次鋒は1969年式 スカイライン 2000 GT-R。

       
ヴィンテージスピード・パワーチェック Vol.【5】
【1969年式 スカイライン 2000 GT-R】


 2台目のチャレンジは、渡辺哲也さんのPGC10。チューニング内容を見れば想像がつくように、かなりの好記録が期待できるフルチューンGT‐Rだ。

 最初のトライではメイン250、エア200という仕様で行ったが、いきなり285psをマークし、ポテンシャルの高さを見せつけた。また、パワーカーブや空燃比の数値も良かったことから、基本的にはこのセッティングをベースに煮詰めることになった。

 まずはメインを240に変更。すると予想通り299psまでアップ。また、ピークパワーより目立ったのがキレイなパワーカーブで、2.6Lのトルクフルなエンジン特性がグラフにも表れていた。さらに、まだ燃料を絞れるという判断からメインを230に交換したところ、パワー/トルクともにほとんど変化がなく、空燃比のみ悪化。このままでは、高回転域で燃料が薄くなって危険ということから、今度はジェットブロックを変更することに。それまで付いていた純正のOBから、オートサービスワタナベオリジナルに変更。しかし、エンジンとのマッチングが思ったほど良くなく、効果を得ることはできなかった。

 最終的にはメイン240、エア200で最高値を記録したが、トータルで見るとメイン230、エア190がベスト。これ以上濃くすればパワーは上がるが、せっかくキレイなパワーカーブが悪くなってしまう恐れがあるようだ。

 結果的には大台突破はならなかったが、ポテンシャル的には300psオーバーは間違いナシ。コンディションのいい日に再チャレンジしたい。





 数値では、2回目の299.1psが最高となっているが、空燃比やグラフを考慮すると4回目がもっとも理想的なセッティングとなった。当日は雨が降っていて気圧が低いこともあり300psオーバーとはならなかったが、晴れていて気圧が高ければ300psは確実。コンディションが良ければ、310psにも達するのではないだろうか。ジェットブロックに関しては、アール・ファクトリーでは純正のOBを推奨していた。ASW製は、L型では効果があることが実証されているが、S20型エンジンとのマッチングはいまひとつの結果となった。


フラットなパワー&トルクが特徴的

さまざまなことを考慮すると、ソレックス50PHHの場合は、メイン230、エア190、OBブロックというセッティングがベスト。最高出力は298psだったが、谷間がなくキレイな放物線を描くパワーカーブが素晴らしい。また、フラットなトルクカーブからも、いかに扱いやすいエンジンということが見て取れる。




排気効率を狙ったチタン製サイドマフラー、ドライサンプ化に伴いワンオフで製作されたアルミ削り出しのオイルパンなど【写真18枚】


1969年式 スカイライン 2000 GT-R
SPECIFICATIONS 諸元
●エンジン:S20型改2582cc/ボアφ85.5mm×ストローク75mm/ヘッド加工/RB26型用バルブ/300度カム(リフト10.0mm)/カムギアトレイン/鍛造ピストン/I断面ロングコンロッド/フルカウンタークランク/スリーブ/FJ型用3ステージドライサンプ仕様/ワンオフアルミ削り出しオイルパン/ATIダンパープーリー/超々ジュラルミン製軽量バックプレート
●吸排気系:ソレックス50PHH/φ42.7mm等長タコ足(6-2)/φ75mmチタンマフラー(サイド出し)
●点火系:和光テクニカル製CDI/マロリー製デスビ/NGK製レーシングプラグ
●冷却系:スギタラジエーター/2連電動ファン/HPI製オイルクーラー
●駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ/ニスモ6速(HPIバージョン)/R200+クスコLSD(ファイナル4.6)/Z31用等速ジョイント


初出:Nostalgic SPEED 2015年07月 Vol.007 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo : TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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