グループBで争われていたWRCに参戦するため、日産がホモロゲーションモデルとして開発し、限定200台を製造したのが「240RS」。その直結5速ミッションのトラブルを解決!
【珍車秘宝館 日産 240RS Vol.1】
グループBマシンで戦われたWRCに参戦すべく、S110シルビアをベースに開発された240RS。前後に巨大なオーバーフェンダーが装着されたボディに搭載されるエンジンは、2.4Lの4気筒DOHCのFJ24型エンジンだ。吸気系はキャブ仕様でソレックス50PHHが組み合わされた。
また、駆動系のミッションは、いわゆる直結5速と呼ばれるミッションで、左奥の通常の1速の位置にバックギアがあるシフトパターンで「ローバック」とも呼ばれている。このF5C71Bは1〜5速がクロスしていて、5速が1.000のオプション1がスタンダード仕様には搭載された。ちなみに、ギア比は4タイプの設定があったようだ。
この貴重なホモロゲマシンのミッションが不調になった240RSのオーナーからのSOSで、館長の元に原因究明と修復のために持ち込まれた。
>> 【画像19枚】破損したメイン側2速のシンクロギア。正常であれば、削れている部分にツメがあって、そのツメでシンクロリングを押さえているが、そのツメが削れてなくなった状態>> ケースからギアを取り出して確認。直結5速のため、ギアの配列は左から5速→4速→3速→2速→センタープレート→1速→バックギアとなっている。
>> 館長の工房で、たまたまバラして置いてあったL型用71Bミッションと240RS用を比較してみた。後ろ側から見たもので、左側が240RS用で右側はL型用。240RS用はバックギアが見えているが、L型用は5速ギアが見えている。
>> 手前が240RS用、奥がL型用。L型用オーバードライブ5速の配列は、左から4速→3速→2速→1速→センタープレート→バック→5速の配置となる。
【2】に続く初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
日産 240RS(全3記事)関連記事:珍車秘宝館関連記事:240RS