【ミッドシップスポーツカー・R8をワイド化!!】メーカーではありえない超個性的なフェイス&ワイドルック! ビルダーのオリジナリティを存分に注入したアウディ R8

メーカーではありえないフロントフェイスのアウディ R8

       
R8独自のスーパーカーテイストを
超個性的ワイドルックでアピール!

【画像10枚】複雑なデザインが絡み合う異端なリアビュー、メーカーではありえないフロントフェイス、リアルカーボンでレーシーさをさらに演出するインテリアなど、過激スタイルのR8の詳細はココからチェック!!


ロー系ペインターとして活躍し、さまざまなジャンルを経て、現在ではガレージイルのビルダー兼アウディ専門ブランド『ゲコー・ウーズ』のプロデューサーとして活動する松浦氏。

今回はオーナーから「ワイドボディのR8を作って欲しい」との依頼を受け、ゲコー・ウーズのコンセプトモデル(つまり一点モノ)として製作を開始した。

過去のオートサロンでド肝を抜いたフェンダーカウルがホイールを覆うTTも、考え方はこのR8と同じ。
ゲコー・ウーズでは、最初にマーケットを度外視した松浦氏のセンス100%のコンセプトモデルを製作し、そこから市販可能なカタチに収める手法を採る。

これは自動車メーカーのコンセプトモデルがブッ飛んでいるのと同じで、「この時点で攻めてないと新しいことなんか表現できない」と松浦氏は語る。

最初に考えたのは、市販化のために牙を抜かれたR8を、元のスーパーカーとして解放すること。
ワイドボディ化との整合性もばっちりなコンセプトだが、製作段階で分かったのが、幅広なボディに対してタイヤハウスに余裕がなく、フロントはいくらワイド化してもステアリングが切れないということ。

そこで、アーム周りを一新し、フェンダーアーチも切り上げることで、10.5J OUT64という極深ホイールを呑み込むことに成功している。

リアに関しては、ワークマイスターM1のMAXサイズを基準に製作をスタート。
絞りのキツいボディラインと、どデカいフェンダーとのラインを整えるためにダクトボックスを増設。
ボディとGTウイングを一体化させる斬新なリアセクションも、“スーパーカーとして解放”のテーマにふさわしく、小型ウイングを左右に吊り下げるなど、過剰ともいえるほどのレーシングマインドを注ぎ込んでいるのだ。

ボディはゲコー・ウーズのイメージカラーであるマットバイオレットパールにオールペンし、ピアノブラックとカーボンの差し色で引き締める。

ド派手なカラーに塗ることもできるが、今回は自信のある造形を引き立てるため、あえてラインが浮かび上がるカラーを選んだ。

「このクルマを見てもらえれば、技術とセンスが伝わると思う」と胸を張る怪作は、見る人全員に響くタイプのカスタムではない。

ヤリ過ぎと評されることは承知のうえで、メーカーデザイナーの初期スケッチのような大胆さを全身に込めた。
自身を異端児と言い切る松浦氏らしい、奔放さと繊細さが同居する、まさに唯一無二のコンセプトモデルとなった。



>>リアフェンダーは車高調前提で345/30-19サイズのタイヤを収められるサイズからデザインをスタート。イメージ的には機能一辺倒のGTマシンを洗練させ、近未来感溢れるデザインを突き詰めたといったところ。インパクトがハンパない!


>>ドアとのギャップがあまりに大きくなったため、フェンダーとドアの間にダクトボックスを設けてバランスをとっている。


>>超ワイドなボディいっぱいにウイングのステーを持っていき、上下二段のパネルで造形した未知なるカタチが完成。ステーにはスリットを加えるなど、機能性だけでなく、記憶に残るデザインを込めた。カーボン製のリアディフューザーも過激としか言いようがない!


>>ルーフ形状やテールレンズのおかげで、かろうじてR8であることがわかるが、まさにイメージ一新! 「ノーマルのR8はセダンの延長」というスタイリングを本来あるべきスーパーカーに近付けるため、極深ホイールが履けるワイドフェンダーやエアロ造形によって激変させている。



>>インテリアは、リアルカーボンのセンターコンソールでハードかつプレミアム感を演出。シートやメーターフードなどは、淡いピンクのハニカムステッチで張り替え、オリジナリティあふれるレーシーさを引き出している。


>>バンパーとリップの間を大胆に空けたデザインなど、まず市販化は不可能な設計を採用したフロントセクション。松浦氏の言葉を借りれば「メーカーが遊ばなければ、ユーザーが楽しむことなんてできない」とのことで、このエッセンスが今後の市販モデルに生かされる。


>>ベースデザインがカッコいいフェイス回りは、R8のイメージを色濃く残しているのも特徴と言える。


>>ホイールはワークマイスターM1の19インチ。サイズはフロント:10.5J OUT64、リア:13J OUT83とし、リアはメーカーMAXサイズとなる。フロントフェンダーの一部をウイング形状で表現するなど、見どころもたっぷり。


>>ブランドのイメージカラーであるマットバイオレットパールでペイントすることで、ボディラインを浮かび上がらせている。差し色は黒とカーボン、そしてホイールのゴールドのみと、シンプルに整理することで、複雑なボディカスタムの造形が引き立てられているのだ。

【画像10枚】複雑なデザインが絡み合う異端なリアビュー、メーカーではありえないフロントフェイス、リアルカーボンでレーシーさをさらに演出するインテリアなど、過激スタイルのR8の詳細はココからチェック!!


『カスタムCAR』2016年4月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:アウディ R8/2007年型
SOURCE:ガレージイル

PHOTO/箱崎太輔 TEXT/浦野浩之

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