【まさかのマイクロバスのアゲ勇姿!?】ランクル用ターボ移植&タイヤ外径アップ(外径1m以上!!)のダブルパワーアップ作戦で爆走可能となった超ハイパワーマイクロバス!

おそらく日本初(!?)三菱ローザ・ハイルーフ・ロング4WDのアゲ仕様

       
巨大タイヤ上に載っかる巨大箱ボディ!
威風堂々すぎるバス・ハイリフト登場!!

【画像9枚】ベースはバスマニア垂涎の観音ゲート付きモデル、11R22.5を履きこなす足元メイク、ランクル用ターボ移植など、日本初(!?)のマイクロバス・ハイリフトの詳細はココをチェックせよ!

車高をグッと上げた“アゲ系”は、カスタマイズのひとつの手法でありますが、「なんでもかんでもアゲちまえーっ!」ってな乱暴な考え方は、商店街の揚げ物屋さんに任せといて、カスタムの世界においては、そこに上げなければならなかった理由とか必然性なんてモノが、1ミリでもいいから欲しかったりするのである(もちろん、カッコよさの追求でもOK牧場〜!)。

そんなこんなで、こちらのマイクロバス、「オイラも目立ちたいんだよ〜」的な短絡的思考の果てに完成したイッパツ芸ではないことを、先に宣言させていただきたい。
カスタムCAR本誌の歴史の中でも皆無、ニッポン改造車の歴史の中でもたぶん“初”と思える「アゲバス」が生まれた背景には、非力なマイクロバスをパワフルに走らせたいと願うオーナーの、理論的アプローチがガンコに存在しているのだ。

そもそも、4WDのマイクロバスってヤツは、団体さんを乗せるわ、悪路を走るわと、過酷な条件下で使われることが生まれながらの宿命。
そのため、ギア比の設定が低く、よく言えば“踏ん張りがきく”反面、悪く言えば“スピードが出なくてアウトぉ!”なシロモノだ。
コレを高速走行可能な快適楽々クルーザーにしようと企んだ岐阜の4WDアゲの超老舗「フェニックスオート」は、タイヤの外径を大きく(超大きく!)したいがためのリフトアップと、エンジンのターボ化というダブルパワーアップ作戦で、問題の全面解決を目論むことに!

大型トラック用最大級サイズとなる11R22.5タイヤ(外径1m以上!)を履かせてもフェンダーに干渉しないよう、フェンダーは前後ためらいなくバサッとカット。
車高上げに関してはリーフに2.5インチブロックをかませただけで、ボディリフトなしで乗り切っている。

ターボは100系ランクル用ディーゼルターボエンジンと排気量が同じところに目をつけ、CT15Bターボユニットを移植し、ワンオフインタークーラー/パイプ類/マフラーなどを合体させれば、純正のモタモタ感がウソのようなスイスイスイ〜に早変わり♪

日野レンジャー用ライト入りバンパーをハメ込んだツラ構えは、どこかパリダカに出ていたカミオンクラスのマシンを思い起こさせ、見た目の面でも劇的パワーアップを達成!

 決してウケ狙いじゃない、ホンモノのプライドに満ちたアゲバスに、商用車の新たな未来を見たっ!



>>全長約7m、全高約3m、全幅2m越えの巨大ボディサイズ。これが高速道路をかっ飛んで来る姿を想像しただけで、ニッポンの改造車の未来は明るい(笑)! 白/青ツートンのカラーリングは純正のままで、タンクローリー用を加工したオバフェンもGOOD!


>>リア観音開き仕様には、室内へアクセスするためのハシゴがリアバンパーに内蔵されるが、リフトアップに合わせてこのハシゴも延長するとは、すべてにおいて抜かりナシ!!


>>真後ろから見るとかなり特異で、1BOXを積んだ積車にしか見えないんですけどぉ…(笑)。


>>踏ん張り優先の純正エンジン4D33ディーゼルと排気量が同一な100系ランクル用ターボ(CT15B)を組み込み、80φサクションパイプ、ワンオフインタークーラーやエアクリなどなどでパワーアップし高速巡航も楽々!


>>本来、運転席とリアシートのフロアの高さはバラバラなのだが、リアシートのフロアをカサ上げして高さを統一。エルグランド用シートに交換して乗車定員は10名となり、クルマ椅子移動車として8ナンバー登録済みなのデス。


>>ドカルボン&ファブテックのショック、同社オリジナルのスタビライザーで乗り心地を確保している。


>>ホイールは大型トラック御用達のアルコア製8穴22.5×8.25アルミホイール。これを純正の5穴にWタイヤで履かせるために変換アダプターを製作し、組み込んでいる。タイヤはヨコハマZENの11R22.5で、これでもかっとハイトを稼ぐ。


>>運転席のドアを開けると、フェンダーアーチをぶった切った痕跡が!!


>>日野レンジャー純正のヘッドライトインセットバンパーへのフェイスチェンジで、パリダカに出てるトラックのイメージをやんわり醸し出す。その下にはワンオフのインタークーラーやらLEDライトバーなどが陣取り、ガラス下のGMCエンブレムのおかげで、USっぽさも若干アリか(笑)? 4WDモデルは、乗り降り用のドアだけ下に出っ張っているので、見た目で違いがモロバレだ。


『カスタムCAR』2015年8月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:三菱 ローザ・ハイルーフ・ロング4WD(BG437)/1994年型
SOURCE:フェニックスオート

PHOTO/早川俊昭 TEXT/佐藤アキオ

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