目からウロコ! 予想外の流用テクで極太リムのナロー・ステップバン完成!!【画像11枚】シェイブドされたスッキリエンジンルーム、トヨエース用ホイールを裏履きするリアの足回り、バケットシートを後方にセットしてレーシーにした室内など、ナイスアイデア満載のステップバンの全貌はココから!!発売期間は昭和47〜49年と短命ながら、現在の軽カーやミニバンで主流のセミキャブ型トールボディをはるか昔に初採用したホンダのステップバンは、“早過ぎる時代の先駆者”とも言えるモデル。
オーナーは、18歳の頃からそんなステップバンにお熱の筋金入りマニア。
お店の広告塔を兼ねて製作したメリケン風レーシームードびんびんのこの1台は、ジャンク同然の個体にショーユースのカスタムカーとして第二の人生を与えるべく、独自のノウハウとセンスの下、唯我独尊のハードコアビルドを投じた小さな大物なのであ〜る♪
POPなカラーリングとともに、レースカー風の外観を担うのが、高年式ミラ純正スペアタイヤ流用の細身のフロント鉄チン。
そして、ノーマル形状のフェンダーの内側に収まる超ファットなリアタイヤ&極太リム!!
駆動方式はFFをキープしたお遊びノリとはいえ、純正ストラット改の前足と、アルト純正流用のアクスル加工による超ナロー後足が織り成す足元のインパクトは理屈抜きで絶大☆
ちなみに、アイキャッチとなるリアの12.5インチの深リム鉄チンは、低床1tトラック用ダブルタイヤリムを流用したアイデア勝ちの逸品。
このホイールを生かすべく浮上したカスタムプランこそ、このステップバンが誕生した発端となる。
リア足以外のカスタムも盛りだくさんで、ステアリングポスト延長によるドラッグマシンばりの着座位置を実現した室内や、FRP製作のレーシングカウル風ボンネット、さらにはシェイブ&タック済みエンジンルームと、カスタム流派のオールド軽マニアの底力を、最大限見せつけるイジリっぷりに感嘆!!
>>ステップバンの特徴でもある丸目ライトのファニーな顔つきは、レーシングイメージを演出するため、FRP製でボンネットと一体成形されたライトカバーへとチェンジ。よく見ると、HONDAのエンボス加工も発見!
>>細いフロントタイヤと極太リアタイヤの組み合わせは、低められた車高と相まって、プロストリート的雰囲気を醸し出す。正統派サブロクカスタムとは一線を画す、コンセプト勝ちのルックスがお見事デス!
>>純正の2気筒エンジンは各部をポリッシュアップ。マウント位置が変わらずともスッキリ低く見えるのは、グリルレスとなったことや、ファンネル仕様になったことが大きな要因。ほか、メインバッテリー移設や、ラジエーター移設&水回りラインのレイアウト変更も影響している。むろんエンジンベイのペイントもスッキリ見た目に貢献している。
>>グニョっと曲げ加工されたシフトレバーのアタマに付けられたのは、ゲーム用のジョイスティック。このスイッチ類は、ウインカーやスタートボタンとしてキチンと機能してマス♪
>>レーシーさの演出のため、バケットシートはかなり後方にセットし、ステアリングポストも後ろに延長。アクセルやブレーキはオルガンペダルとした。また、ラジエーターが後方設置のため、ウォーターラインは室内床下を這わし、電磁ポンプで送り出す設計で、マフラーも室内通過のレイアウトとなっている。
>>ステアリングはVWポロ用をカットして装着。ステアリングを後方に延ばすため、ステアリングポストはユニバーサルジョイントで角度を付けてレイアウト変更済みだ。
>>助手席側ダッシュボードに格納されるのは、原付用のガスタンク。あくまで見せるためのトイショーカーといったイメージなので、容量はこれで十分なのだ。
>>フロントはダイハツミラ用テンパータイヤをセット。フロントを細くしたいがためのチョイスだが、意表を突く奇襲戦法がナイス! ショックはノーマルストラットをショート加工している。
>>トヨエーストラックに使われている12.5インチの極太リム流用のアイデアから、このナローステップバンが誕生。キモはホイールを表裏逆にセットしていること。
>>あくまでホイールありきなので、ホイールのピッチに合わせ、アクスルビームはアルト用をセットし、40cmナロー。ナロー化に伴い、リアフレームを新規製作し、ラジエーターは後方にセット。バッテリーも新規フレーム上に置いている。
>>昭和の軽バンを極太履きにショーアップ! トヨエース用ホイールを裏履きするアイデアで、唯一無二のメリケン風レーシームード全開なステップバンが誕生した。
『カスタムCAR』2015年2月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:ライフ ステップバン/1976年型
SOURCE:Coke Club