【RB30DE換装で1000psオーバー!】ドリ車仕様の800台ホモロゲ限定車

       
スカイラインといえば、日本のモータースポーツシーンを牽引する由緒正しいスポーツカー。

その印象はプリンス時代から脈々と受け継がれ、歴代GT-Rはハイパフォーマンスカーの代名詞と呼ばれているほど。
そんなスカイラインシリーズの7代目として誕生したのがR31型である。
しかし、4気筒DOHCターボを搭載し、スーパーシルエットの印象が強いDR30と比較すると、どうしても大きく鈍重な印象。
そもそものスタートが4ドアのハイソカーとしてキャラクターを打ち出そうとしていたこともあり、お世辞にもデビュー当時はスポーツカーとして受け入れられたとは言い難いクルマ。
そんな不遇の名車R31にどっぷりと浸かり、なおかつ、あらゆるカスタム&チューニングによって、脚光を浴びるにまで成長させたのは、間違いなくR31ハウスだ。

ベースモデルは、グループAのホモロゲモデルとして限定で販売されたGTSーR。800台限定というから、通常販売されていたR32以降のGT-Rと比べるとそのレア度は雲泥の差。
そんなマニア垂涎のレア個体をコトもあろうかドリ車に仕上げてしまうのだからバチ当たり。
いや、ワークスとして参戦を目論んでいるからこそのGTSーRなのである。

エンジンはR31としてはハイスペックな210psのRB20DETであってもドリフト競技には力不足のためポイっ。
で、取り入れたのがトミーカイラのコンプリートカーに搭載されたRB30DE。
ブロック自体は海外仕様のRB30を利用しているが、ヘッドはツインカム化されるというマニア垂涎のエンジンを、ハイスペック化のためストローカーキットで3.4リットル化。
加えてRB26ヘッドやCGCタービンを組み合わせることで、怒涛の1000psオーバーを獲得。
それに合わせるドライブ系から足回りセットと、超本気の競技ドリ車メイクとなった。

DR30やR32なんて、チューニングのド定番ではないマニアックマシンだからこそ、カスタムカー的にも注目したいこの1台。
R31のスペシャリストならではのビジュアル作りとパフォーマンスは、ハチマルの新時代を築くのだ!

【写真8点>>希少なトミーライカの心臓を宿すワークスマシンの全貌が明らかに!!】

>>ドリフトの競技車両ということもあり、ベタベタのドシャコタンではなく、しっかりとトラクションのかかるストローク量を持った車高にセット。カラーリングはメインスポンサーのモチュールカラーでフルラッピングし、まさにワークスマシンの雰囲気だ。


>>スタリングはR31ハウスオリジナルのボディキットをベースに、ワイドトレッド化に合わせたオーバーフェンダーもセットする。


>>足元にはワークマイスター・M1をブロンズカラーで組み合わせる。コンペティティブなマシンながらもスタイリングはキッチリと抑えるのもR31ハウスの流儀だ。


>>ドリフトアングルの安定を求め、フロントサスはS15シルビアからごっそりと移植。特にナックル周りはハブベアリングの強化や軽量化を想定しつつ、多彩なパーツが流用できるマストな選択。キレ角アップのためにR32のステアリングラックを移植すると同時に逆関節対策もバッチリ。


>>Dフォーミュラのレギュレーションから構造変更が行えないリアは、セミトレのままデフマウントを新設しながらR32のデフやドラシャ、ナックルを総移植。さらにアーム類を調整式に変更することでアライメント調整の幅をアップ。


>>ミッションはオーストラリアのGフォース製4速ドグを搭載。ペダル類はウィルウッドのオルガンタイプをセットし、ドラポジ作りの適正化も図る。またサイクルフェンダー化に合わせて、ペダル位置をオフセットすることで、クリアランス確保やマスターバッグのコンパクト化などあらゆる面でメリットが生まれている。


>>ドンガラ状態の室内に張り巡らされたロールケージは、フォーミュラDのレギュレーション沿って仕立てたにワンオフもの。パイプ経から素材、保護位置に至るまでキッチリと決まりごとがあるため、それに合わせてハチマル旧車に作りこむのは至難の技だ。


>>RBシリーズ最大排気量のRB30(またの名をM30)をベースに、オーストラリアのストローカーキットを使って排気量アップ。サージタンクはワンオフしつつ、CGCのタービンをセット。エンジンマネージメントはモーテックを利用し、推定で1000psのセッティング。もちろんカムも高回転までキッチリと回せるHKSのVカムを使い、全域でゴキゲンなパフォーマンスを発揮する。

『カスタムCAR』2018年4月号掲載
BASE CAR:スカイライン GTS-R 1988年型
SOURCE:R31HOUSE

PHOTO/南井浩孝 TEXT/渡辺大輔

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