【S30Zのボディに収まるエンジンは……】S2000のシャーシにフルチェンしたZにVTECが鎮座!

       
深みのあるブルメタ塗装が漫画「湾岸ミッドナイト」の主人公が駆る“悪魔のZ”を彷彿させる2シーターのS30Z。

それゆえ、ロングノーズに収まるのは定番のL型メカチューンと思うだろうが、ボンネットを開けると、まさかのホンダS2000の直4ツインカムのVTEC心臓にギャフン!
コクピットに目を凝らすと、ダッシュやステアリング一式もS2000用で、ロケットバニーのオバフェンでHREのアメ鍛17インチを履く足回りも、S2KことS2000の前後ダブルウィッシュボーンサス化という徹底ぶり。もはやフェアレディZの皮を被ったホンダS2000同然のアップデートなモディファイに驚愕だ。

それもそのはず、コイツはエンジン足回りのスワップビルドではなく、S30ZボディとS2Kシャーシをモノコック溶接でドッキングさせた新旧ハイブリッドのサイボーグマシン!!
そんな大胆不敵なスワッピングを行ったのは、ビルダーである広島のショップ「K’sブラスト」。S30Zのレストア&レストモッド製作を得意とする鈑金職人で、現代感覚のハイパフォーマンスと、快適性を得るべくパワートレインをモノコックフレームごと移植することで、S2Kの運動性能そのままのドライバビリティを手に入れた。

その完成度は公認取得をクリアした折り紙付き。サーキットユースで高次元の走りを熟成させるべく、エンジン&足回りを地元のカスタムショップ「ジークリエイト」の手に委ね、HKSのスーチャーとユニバーサルエアーのエアサスをインストール。あえてのワイドボディ化もホイールチョイスとタイヤセッティングの幅を広げるのが目的ゆえ、魅せて走るナンバー付きのレースマシンとして今後の活躍にも目が離せない存在となった。

【写真8点>>VTEC&S2000シャーシに換装したS30Zの全貌を披露!】


>>エクステリアはFスポとオバフェン以外はS30前期型のディテールを維持。Fバンパーは純正品ベースで複製のうえ幅詰めしたFRP製で、グリル開口部にはスーチャー用のインタークーラーが鎮座する。


>>左右出しのマフラーは、街乗りでの静粛性を考慮したJ’sレーシング謹製となる。


>>大幅なアーチ上げの末セットしたロケバニのオバフェンで収めたリムは、HRE540のF:17×9J/R:17×10J。’95年リリースの銘品をよみがえらせた最新の復刻版で、街乗りからサーキット走行まで適した高性能タイヤとして名高いクムホ・エクスタV720の275/40を組み合わせる。


>>AP1の型式を持つS2000前期の2リッター版F20A型VTECツインカムと、HKSスーパーチャージャーキットをフロントミッドシップの理想的な重量配分で搭載する。



>>ガワはS30Zだが、エンジンルーム全体が実はS2000。ホイールベースやトレッド幅を変えずにボディ側でツジツマを合わせることで、S2000本来のシャーシ&パワートレインの性能を崩さず車体スワップを見事遂行♪


>>着せ替えボディ同然の大胆スワップで、ドアの内張り以外はホンダS2000の内装を手に入れたインテリア。パワステやエアコンの快適装備も生かしている。


>>シートやハンドル、シフト、ペダルの位置なども、S2000まんまのドラボジで操れるのがダイゴ味。なおミッションは6速MTだ。


>>S2000シャーシ合体による低重心フォルムは、ユニバーサルエアーの貫通式バックオーバーサスのフルボトムで、S30Zでは不可能レベルの激低車高を体現。エアサスでの本気のサーキットランを視野に入れているが、ボルトオンでバネサスに戻すことも可能なのが隠れたコダワリだ。

『カスタムCAR』2018年3月号掲載
BASE CAR:フェアレディZ 1972年型
SOURCE:金尾板金塗装ZE CREATETICグループ

PHOTO/高原義卓 TEXT/コンヒデキ

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