【年代物キャンパーを強烈スラムド!】フルレストアした美麗キャビンを背負うビンテージ・キャンパートラッキン

       
2017年のSEMAショーで一躍注目を浴びた、アイオワ州の著名ホットロッドショップが手がけた’71年式シボレーC30デューリー(元々リアダブルタイヤのやつね)のキャンパー。

アメリカではトラックベースのキャンパーはお手軽で人気だけども、最近めっきり見かけなくなった’70年代のキャンピングトラックをベースに、トラッキン流儀でベタ落ちスラムドにしてきちゃったんだから目立つこと必至。
しかも、ベースとなっているのは、アメリカで異常人気指数更新中のシボレーC10のデューリー版C30で、さらに同年代のキャンピング界の名門「フランクリン社」のキャブコンバージョンのコンビなのだからタマらない。
その往年のキャンパーを古くさい姿のままスラムドしたのではなく、現在の最新ビンテージスタイルでアップデートしてきたのだから、アメリカ人たちがSEMAで悶絶したのも納得だ。

’71年式の車両なんだけれども、’67〜’68顔にスワップ、フード前部に純正かと見まごうデザインのエアダクトも追加されたシャープなフロントエンドは、どっしりとしたヤドカリ的なキャンパーをカッコよく見せる秘訣でもある。

エンジンもクロームをあえて使わずに、わざとオリジナル風ペイント仕上げで、’58〜’64年までに製造されたV8ビッグブロックの348風に見せたりと、各所にホットロッド流儀のアイデア&テクニックが満載。

トラック以上に時間と労力が注がれたのがフランクリン社のキャビン部。
木枠やアルミなどの薄く古びた金属板や樹脂パーツで作られているほぼすべての部分は、現在入手可能な部材をうまく使ってオリジナルの’70年代テイストを崩さずにレストア&カスタム。サイドアルミパネルやルーフ樹脂部は最新技術でリファインもされている。

肝心の室内もウッドをふんだんに使ったビンテージコテージのバーラウンジ風の見事な作り込み。
しかし、この快適そうな内装に相反するように、大径デューリーを飲み込むためにCフレーム&エアサスがキャビン中央に堂々と突出してるあたりが、ビルダーの「外装の見た目が何より優先」の心情が垣間見られて逆に微笑ましいのだ(笑)。

こんなカッコいいキャンパーでソトアソビに出かけたら目立てていいけど、終始、見物人が集まってきてゆっくりとは過ごせないことだけは確実だろう(笑)。

【写真12点>>渾身のビンテージ・キャンパートラッキンの全貌はコチラから☆】


>>この強大な“箱”のかたまり感に驚愕! キャビンのリアレンズはシボレーインパラ風な3連6テールライトに変更し、どっしりとした見た目でさらに低さが目立つ。キャンパーネタだけにあらず、本気のトラッキン・ビンテージスタイルに仕上げている。


>>1960年の登場から1999年まで、長きにわたってシボレートラックの旗艦であったCシリーズの2代目。C10のヘビーデューティー版がC30で、キャビンは同じなれど、シャーシやサスが強靱に、エンジンがモアパワーとなり、リアエンドはデューリーとなる。


>>バックパネルからフロントエンドまで続くベージュカラーのファイバー樹脂パネルは、接合ではなく、なんと巨大な1枚もの成型。本来のホットロッド仕事ではない異ジャンルの職人仕事も同ショップで敢行する。トラック部分のカスタムからキャンパー製作までおよそ半年間というのは驚異的。


>>10穴リムはデューリー専門ブランドの「DUALLY SPORTZ」を装着。


>>エンジンは一見オールドモデルのビッグブロック348風に装いつつも、実はGMの第4世代スモールブロックのLS3というバリバリの430馬力レイトモーターを載せる。


>>一見オリジナル風のシンプルなコクピットだが、よく見るとゲージやチルトステアリングコラム変更、エアバッグシステムのコントローラー、目立たなくブラックアウトされたビレットパーツ、クロスとレザーでの張り替えと、実はフルカスタムされている。


>>シーリング&バックパネルはキャビン外板のリブとコーデしている。


>>ビンテージ風のウッドとカッパーカラーのメタル(エアサス部)がうまく融合したコテージのバーラウンジ風のキャビン。フロアのボードはトラックのベッドのウッドフロアと同じ仕様で留めているのもミソ。コクピットへのウォークスルー口の上部に設けられた就寝スペースもウッド張りに。


>>フロアや天井もウッドを多用して、フィッシングやハンティングのテーマでキャンピンカーとは思えないヴィンテージなコテージ風仕上げ。


>>楽しい飲んだくれキャンプをイメージさせられる無数のビールの空き缶は、ディスプレイなのか本当のゴミなのか……。


>>飾られたサインボードやクーラーボックスも’70年代のビンテージもので統一している。


>>広いキャビン中央のリアタイヤ間には、エアバッグ用タンクとコンプレッサーを配置したCフレームが、キャビン前後の行き来を分断して不便極まりない(笑)。このタイヤハウスを隠すように、アルミテーブルでカバーした。エアラインもビンテージ風カッパー色に。

『カスタムCAR』2018年4月号掲載
BASE CAR:シボレーC30トラック+フランクリン・キャンパー 1971年型
SOURCE:River City Rods & Fabrication

PHOTO&REPORT/TAKASHI KIKUCHI

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