【仮想4WD快速マシン】「軽・オープン・2駆」をアゲ×2しちゃいました!

       
ワイルド&タフなスタイルが比較的手軽に楽しめるアゲカスタム。

軽トラやクロカン、箱車といった具合に、4WD設定されている車両をベースにアプローチしていくのだが基本だが、ここで紹介する「も。ファク」のコペン・エクスプレイは、4WD設定がないFF、しかも2シーターオープンだ。

ココでコペンのおさらい。
コペンは、基本といえる「ローブ」、丸目でちょいクラシカルな「セロ」、そしてオバフェンを備えた「エクスプレイ」の3兄弟で構成される。その中で一番スポーティなエクスプレイを今回はアゲちゃったのである。

なお、誤解がないよう先に説明しておくと、アゲ人気にあやかったワケじゃなく、純粋にコペンの走破性をカッコよく高めようとしたもの。
というのも、コペン専門店「も。ファク」森本代表の趣味は、いちオーナーとして愛情を注いだデモカーに乗って、日本各地へ美味しいものを食べに出かけるグルメ旅。
しかし、グルメ聖地ともいえる冬の日本海へ向かうには、雪道走破が避けられない。車高を上げてチャレンジするもコペンには手強く、なんとか攻略できないかと日々思案していたワケ。

そんなある日、ピンときたのが、走破性の高さも備えるアゲカスタムだった。
ものは試しと、マッドテレーンタイヤをエクスプレイにあてがってみると想像以上にカッコよく、デモカー製作が本格的にスタート。
せっかく作るならコペンオーナーに新たなカスタムも提案しようとアゲキット開発も進め、走りとスタイルの両面でこだわりが徹底注入されているのだ。
その本気ぶりは、雪道や林道、サーキットまでトータル6000kmにも及ぶ走行テスト実施からも明らか。
こうして規格外なアゲコペンが誕生したのだ。

【写真17点>>アゲアゲコペンのすべてを確認!】


>>エクスプレイのスタイリングイメージをキープしつつ精悍に仕上げるため、ボンネットやドアといったボディパネルのみ、AMG-GT限定モデルに採用されるdesignoグラファイトグレーマグノでオールペンした。


>>純正比約110mmアップとなるジムニーサイズのタイヤを干渉なくマッチングするため、前後タイヤハウスを叩いて拡大。ステアリングを切った際にサイドステップが当たってしまうので、約30mm短縮加工も施している。


>>アッパーマウント部分にスペーサーとなるソーサーを挟み、ストローク時の接地性にこだわってセットアップするフロントの足回り。ブレーキホースなどの取り回しにも影響が及ぶため、ステンメッシュで専用ホースを用意した。


>>ジムニーサイズのタイヤをコペンにマッチングするためには、タイヤハウス内の加工が不可欠。プレス部の耳などを処理しつつ、インナーフェンダーはタイヤが装着できるように処理した。


>>フロントのアゲ幅確保は、アーム類の角度変化にも配慮。メンバーとボディ間に専用スペーサーを挟み込むスタイルとしている。


>>トーションビーム構造も配慮して、リアはロング化した専用ショック&スプリングを投入。マフラーもワンオフだ。


>>クリアランス重視なら195/R14Cだが、ボディに対して足元の迫力が不足してしまう。マイナーサイズゆえに価格が高い部分まで考慮し、タイヤ外径の大きいジムニーサイズ、175/80の16インチを投入した。ホイールはワーク・マイスターCR01(16×5.5J)を4本通しでセット。


>>エクスプレイ自体はもともとツートンカラーで、フェンダーラインを押し出したマッスルデザイン。「も。ファク」では、ボディ側をAMG純正色のマットカラーに置き換え、精悍さをサラリとプラスしている。


>>ワンオフのバンパーガードやスタック対策のウインチを装備し、アゲ車らしいフェイス回りに。


>>暗闇を強烈に照らすLEDバーライトも追加。インパクトを引き上げつつもフェイスイメージを損なわないアレンジにこだわり、アゲコペンの完成度は一層高まった。


>>ストローク時のクリアランスに配慮してリアバンパーカットを施すが、コペンらしさを極力崩さないように配慮。フロントはエンジン位置が下がり、リアは全体が持ち上がる形となるため、専用のマフラージョイントを用意する。


>>タイヤ外径が大きくなることでハイギヤードとなるため、高速巡航での回転が引き下がるのもアゲの魅力。低中速領域の頼もしさはコペンチューニングに精力的に取り組んできた「も。ファク」のチューニングメニューで問題なくカバーできる。


>>エンジン位置はドライブシャフトの角度負担も考慮して、専用のマウントスペーサーをセット。ノーマル車高の搭載位置よりも下げ、エンジンルームはスッキリしたイメージに。


>>長さが足りなくなるラジエーターホースは、ストレート部分をカットして延長パイプを挟んでカバーしている。


>>コペンのエンジンマウントは吊り下げタイプ。強度面にも配慮した専用スペーサーを使って、エンジン搭載位置を下げている。


>>クラッチワイヤーやシフトワイヤーなどの位置関係も変わることとなるが、ステー処理で取り回しを変更すればOK。ステアリングシャフトは物理的に長さが足りなくなるので、アゲ専用に開発されたオリジナルシャフトに変更して対処。


>>エクステリアの精悍さとうってかわり、セロS用レカロなどが与えられたインテリアはスタイリッシュなイメージ。アゲたことで、コペンのスポーティな走りが犠牲となることもなく、路面コンディション問わずの高い走破性が楽しめる。

『カスタムCAR』2018年6月号掲載
BASE CAR:コペン・エクスプレイ 2016年型
SOURCE:も。ファク

PHOTO/南井浩孝 TEXT/四馬力

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