生足ダウンの激低車高とUSトラックイメージのウッドフロアの商用バン!

       
商用車といえば純白のボディサイドに飾り気のない会社名がデデ〜ンと貼られ、疲れたサラリーマンが眠い目をこすりながら運転しているっていうのが世の相場。お世辞にもオシャレとは言い難いうえ、クルマに乗っていて楽しいって雰囲気は皆無。もちろん仕事だからってこともあるけど、クルマを実用一辺倒で考えてしまうと、仕事に対する活力も湧いてこない。そうなると商用車での移動がさらに苦痛になってしまい、仕事自体が楽しくなくなってしまう。もっとも、自分の好みをフルに表現した“お洒落な”商用車を手に入れられれば、そんな負のスパイラルに陥ることなく、仕事がもっと楽しくなるってものなんだけど……。

そんな単純明快な考えで商用車カスタムに取り組んだのは、千葉のジョイワークス! 軽バンに限らず昭和のニオイがするクルマ大好きなMCカモが、手塩にかけて完成させた1台だ。

ベースとなるのはバモス・ホビオプロ。乗用車のバモスを商用車登録した、ホンダのバンでも上位機種。元祖軽バンのアクティと比べると豪華なバンパーと内装が装備されるなど、商用車としてはかなり上物。もちろんこれはあくまでもベースのハナシ。バンパーが豪華だろうが、内装がしっかりしてようが、ノーマルじゃオシャレでも何でもない。そこでオーナーさんがオーダーしたのは、「生足でベッタリの低車高」、「建築の仕事を表せるようにボディはウッディで」、「内装は仕事で使えるタフな感じで」というもの。このオーダーを受けて製作がスタートだ〜!

最初に作業を開始したのは足回り。フロントはストラットはもちろんアッパー/ロワともにアーム類まで加工済み。リアもリーフやシャックル、アッパー&ロワ加工などを行い、この車高でもストローク量はしっかり確保して乗り心地も良好。ルックスと商用車としての実用性を両立しているのだ。さらにボディはトヨタ・シエンタ純正イエローでオールペンしつつ、ウッドパネルはジムインダストリー謹製、職人技のハケ塗りでフィニッシュ。仕上げはTHE商用車を示す黒バンパー化。もちろんフォグランプなど余分な豪華装備はパテで埋め、簡素なスムースラインを形成して、シンプルな商用車っぷりをアピールしてまっす。

インテリアも仕事道具をラフに積み込んでも大丈夫なよう、床面は昔のUSトラック風にウッドパネルを敷き詰めフラット化。シート表皮も幌に使用する生地を使って張り替えているため、ちょっとやそっとじゃ破れる心配はナシ。荷室もシートも仕事でハードに使うことを前提にした、ヘビーデューティ仕様になっているのだ。これぞ商用車の鏡っすよ!

写真13点>>オシャレな商用バンの外内装をチェック!!


>>軽バンらしい印象を持たせるため、標準で装着されていたプライバシーガラスはすべて白ガラスに張り替え。さらにリアゲートは窓サイズが小さいアクティに交換するなど、ノーマル風に見えてディテールのこだわりはハンパない。


>>単色ボディではオモシロくないということで、ボディサイドにはウッディペイントが施される。建築系の仕事をしているオーナーだからこそ、木目にこだわったコマーシャルバン的なエクステリアをオーダーした。


>>超絶ロワードを生足で敢行した足下には、暫定的にBABY MOONをセット。実は奥様のバモスから拝借しているということで、今後はビシッと似合うホイールを見つけて履き替える予定だとか。


>>商用車としてのアイデンティティはドアに貼られた屋号のロゴ。表記方法やフォントのイメージ次第で看板もオシャレに演出できるのだ。実にUS的っすよ!


>>VW TYPE2用のルーフラックを持ってきて、ステーを加工しながら装着。偶然にもルーフの曲線にもピッタリと合っていたため、取って付けた感は一切ないのが素敵!



>>シート生地にはトラックの幌に使われる生地を使用して張り替え済み。この生地は硬いうえに撥水性もあるため、仕事でラフに使っても破れなければ水がしみ込む心配もナシという優れモノ。


>>助手席のシートバックにはジーンズ風ポケットを追加。ちょっとした小物の収納にはあると便利なポケットも、デザイン性を持たせることでオシャレな室内に早変わり。


>>ドアパネルやピラー、天井は肌触りのよいエクセーヌで張り替え済み。高級生地を使用しつつシートに合わせたオリーブグリーンの落ち着いた色合いで過剰に主張しないのもミソ。


>>現時点ではインパネやメーターリッド部分は塗装されるのみ。今後はオーディオもインストールする予定。商用車だからこそイイ音で快適性アップを図り、仕事効率もUPってわけ。


>>エクセーヌと幌生地の切り替えで張り替えられた天井には、ベバスト製のサンルーフもセットして開放感をアップ。もちろん商用車に向けたホビオプロにはオプションでも設定されてはいない。開放的なインテリアで常に気分はリラックスモード全開〜仕事もはかどるっすよ!




カスタムCAR2013年5月号掲載
BASE CAR:ホンダ・ホビオ
SOURCEJOYWORX

PHOTO/藤井元輔

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