名匠高橋ボデーが残した上質パーツと華麗なペイントが融合した日産ディーゼルコンドル 紘都丸

高橋ボデーと聞いて、その名を知らない人はいないだろう。カネショウをはじめとしたかずかずの名車を手がけ、独特の打ち出し模様や抜き加工といったスタイルを確立した名匠だ。現在は活動を停止しているが、このクルマはその高橋ボデーが手がけた1台なのだ。

       



各パーツは名匠高橋ボデーが手がけただけに、高い完成度を誇る逸品ぞろい。ウロコステンレスやエッチングステンレスを素材としたパーツ製作が得意だった高橋ボデーには珍しく、主要パーツがミガキステンレスで作られていることが、このクルマの大きな特徴といえる。

なかでも平型バイザーは出色の出来映えを誇るパーツだ。サイドとミミの部分にパンチング加工を施し、高橋ボデーらしい抜き加工も加えられている。十文字と菱形を合わせたような抜き加工はミラーステーにも入れられており、統一感の演出にも抜かりはない。

バンパーは中央部に舟型形状を採り入れたキャデラックタイプ。しっかりとした造形が加工技術の高さを物語っている。そして、このキャデラックバンパーとブルーバード用を流用したというヘッドライトがジャストマッチ。おとなし目のコンドルのフェイスに、ちょい悪なスパイスを利かせている。

ツウ好みのシブいアートを展開するキャブ部分に対し、荷台部分はペイントで華やかさを演出する。特にマインド美術室が筆を執ったリアペイントは、色使いも含めて華やかさ満点だ。描かれているのは日舞の“藤娘”。実はマ愛娘が日舞をやっており、実際に藤娘を踊っているそうだ。また、お師匠さんはおばあちゃんで、藤娘は代々受け継がれている演目だという。

名匠が手がけたパーツと華やかなペイントを背負ったこのクルマを今後も大切に乗っていってほしい。 

【写真7点】高橋ボデーが手がけた逸品の数々を目に焼き付けよ。

カミオン2008年2月号トップアートをもとに再構成

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