ベスト5 地響きさせて夜の国道を爆走するぜ(1984年12月号)

「日本経済を支えているトラック軍団、この現実を証明するのはいとも簡単。東名、国道1号線を3日間封鎖すればすぐわかる。工場は部品不足になり、魚、野菜はアッという間に暴騰する。しかし日本はこのトラック軍団をあまりにもないがしろにしていないか? といいつつ、王道を行くトラック軍団の勇姿を紹介しよう」……という前フリで始まる1984年12月号のベスト5。トップバッターはコチラ!



ウロコステンレスで製作されたパーツ群は直線を基調としたデザイン。煙突マフラーのヒートガードもウロコステンレス製だ。

ついに登場、カネショウの名物トレーラーだ。 由加丸のトレーラーと人気を二分するだけに、そのド迫力ぶりは本場アメリカのビッグリグなみ。

ヘッドだけで1000万円はするという。

このトレーラーは、58年に購入されたもの。 三菱ふそうをベースにカネショウのアートトラックをすべて仕上げた神戸の「高橋ボディ」で3か月かけてオリジナルなものに改造した。

フロントはメッキ、そして天にそびえるような煙突マフラー、もちろんオリジナル。派手さはないがその存在感は4tや10tとあきらかに格が違う。さすが横綱といった風格。


コーポレートカラーで彩られたリアアオリにはウロコステンレスの切り文字が高いデザイン性を演出。

「走行距離は8500km程度、週に2回ほど関西-名古屋を走っているけど、東京にはあまり行かない。走るのは深夜が多いから、なかなか撮影できるチャンスはないんじゃないの」。

この日は静岡から肥料を積んで兵庫に向かう。ご存知のように、カネショウは淡路島に会社がある。平ボディが14台、保冷車が6台、そして、トレーラーがこの1台だ。

どれもひと目で、カネショウのトラックとわかる。アートトラックファンにとってみれば、ぜひアルバムに欲しい写真だ。保冷車、平ボディもいずれ紹介する予定なので期待してくれ。


大きなシャンデリアはあえて装着せず実用性を重視した室内。

「エンジンマニホールドは、両方で50万円、フロントのメッキは15万円、細かいところにずいぶんお金がかかってます。でも、なんといっても内装は200万円ぐらいかかってるし、豪華そのものですよ。冷蔵庫、テレビ、ポットなどもあって、1週間、クルマで暮らしてもそんなに不便を感じないね。なにしろ運転席にいる時間がいちばん多いから。とにかく運転しやすいトレーラーですよ」。


テレビや無線機はシンプルかつスマートにインストール。

荷をいっぱいに積むと、さすが登坂はゼイゼイといった感じ。しかし、そこがSLのような感動を呼ぶのだ。


文:編集部 カミオン1984年12月号をもとに再構成

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