日産ワークス秘伝! LYヘッドってご存知でしたか?|フェアレディ240ZG 1

       

日産ワークス秘伝のLYヘッドと最新シーケンシャルMTの究極コラボ


1970年代の日産ワークスは、フェアレディ240Z用にスペシャルヘッドを用意。それがクロスフローレイアウトのLY型だ。L24からL26、そしてL28型まで開発され、ごく少数がプライベートチームにも供給された。そんな伝統のLY28型エンジンを搭載する240ZGが、ニューウエポンとともにサーキットを走り始めた。

240ZG+LY+HOLINGER

 一般的にL型エンジンはキャブとタコ足が前から見て右側にある。このレイアウトをターンフローというが、日産ワークスチームは、より高回転化を狙って、左側にキャブ、右側にタコ足のクロスフロー方式を採用したスペシャルヘッドを開発し、ラリーやレースに投入。最終的には、このワークス仕様のクロスフローヘッドが組み込まれたLY28型エンジンが、スポーツコーナーを通じてごく少数のプライベートチームに供給された。


240ZGのエンジンルームに収まったLY型3.0ℓ仕様エンジン。左側にソレックス50PHHを専用のインマニを介して装着するクロスフローレイアウトだ。キャブレターのリンケージはワイヤーで作動させる仕様。ヘッドカバーは、レース用エンジンらしくマグネシウム製となっている。


運転席側のインスペクションリッドの下には、燃圧を安定させるためにレギュレーターをセット。マスターシリンダー&マスターバッグも大容量化し、ストッパーも装着。


エンジン下側のドライサンプ用スカベンジポンプには、当時のレース用機械式タコメーターユニットが装着されている。


LY型エンジンの下回り。左側にスカベンジポンプ、右側にドライサンプ用オイルパンが見える。


LY専用の大型4層ラジエーターには、当時のレースでは装備されていない電動ファンを追加。コアサポート前方にはGノーズのインテークに合わせてニスモ製オイルクーラーを設置する。


 LY28型のスペックはワークス仕様と同等で、吸排気ポートの変更以外にも、バルブはV字型レイアウトとなり、燃焼室も半球形に変更。また、一体式ロッカーアームホルダー、専用設計のカムチェーンなどが採用されている。カムシャフトにいたっては、74度、76度、78度が用意されていて、専用のインマニにソレックス50PHHと専用タコ足の組み合わせで、300psを発揮するとされていた。しかも、オイル潤滑方式は通常のウエットサンプから、ブレーキングやコーナーでもオイルが片寄らないようにドライサンプ方式を採用。

レーシングエンジンにふさわしい専用設計のパーツと勝つためのスペックが与えられた。

(続

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Nostalgic SPEED vol.003 2014年 3月号 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

PHOTO : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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