初めて電動式のオープントップを採用したのはなんてクルマ?〈80Times〉旧車の疑問にズバリ答える ! ハチマル的Q & A Part 8

89年に500台限定で限定販売されたソアラ・エアロキャビンは、価格430万9000円。通常の3.0GTは321万円、3.0GTリミテッドは386万5000円、3.0GTリミテッドのエアサス仕様が416万3000円という設定は、まさに高級パーソナルクーペの最高峰と言えた。

1980~90年代にかけては日本の自動車史のなかでも希にみる発展を遂げ、既存のシリーズも新型車も高性能であり贅を尽くした設定のモデルが多数登場する。
それから40年近くが経過し、令和の今となってヤングタイマーとして人気車となっている。
そんな時代のクルマたちを快適に維持していくための情報源として、「ハチマルヒーロー」誌の読者から寄せられた質問をピックアップして、自動車評論家の片岡英明さんがわかりやすく解説。旧車の疑問にバッチリお答えする!!

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Q
初めて電動式のオープントップを採用して登場したクルマは何ですか? 広島県/中井圭祐さん


A
 世界的には1934年のパリショーに出品され、その後、1年ほど生産されたプジョー401エクリプスが電動パワー式オープントップの最初の作品だといわれている。

この電動格納式メタルトップは、クーペとカブリオレを一体化したものだった。現在、プジョーのコンパクトカーに設定されている「CC」(クーペカブリオレの略)は、このモデルの流れをくむものだ。

 今につながる電動パワー式オープントップは「ソアラ・エアロキャビン」に始まる。

クラウンとともにハイソカーブームを巻き起こしたソアラは、86年に2代目のZ20系ソアラにバトンを託した。この2代目は、87年秋の東京モーターショーに電動折りたたみ格納式メタルトップ採用のエアロキャビンを参考出品し、話題となった。

 クローズドクーペの快適性とオープンカーの爽快感を高次元で両立させたのがエアロキャビンだ。このショーカーは年号が平成に変わった89年4月に500台限定販売された。ベースとなったのは、上級グレードの3.0GTである。

 エアロキャビンはルーフを格納する空間を確保するためにリアシートを取り払い、2人乗りとした。注目のルーフ部分は、スイッチ操作によってルーフ、リアウインドー、そしてトランク部分が持ち上がる。開閉に要した時間は2分以上と長かった。また、オープンにしてもサイドウインドーのサッシやリアクオーターウインドーが残った。

 そしてメタルトップを採用した正式なカタログモデル第1号は92年2月に登場したCR‐Xデルソルだ。電動オープンルーフのトランストップは群を抜く注目度で存在感を示した。日本ではいまひとつの人気だったが、海外ではセンセーションを巻き起こしプジョーやメルセデス・ベンツに大きな影響を与えている。

 また、93年には限定発売の形でスバルがヴィヴィオに「Tトップ」を加えた。これはルーフまわりに3ウェイコンバーチブルを採用したものだ。アルミ製ディタッチャブルトップはオープンにしたときにトランクに収納し、リアウインドーも電動でトランクの前に収納できた。

 フルオープン第1号となるのは、2000年5月にオーテックジャパンが発表したS15シルビア・ヴァリエッタだ。電動バリアブルメタルトップを採用し、わずか20秒でルーフは開け閉めできた。

ホンダ CR-Xデルソル トランストップ
92年に登場のCR-Xデルソルは、トランストップという電動でトップをトランクルームに格納する画期的な機構を搭載していた。上級モデル以外で電動格納式が採用されたことが画期的存在だった。


掲載:ハチマルヒーロー 2009年12月号 Vol.12(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Hideaki Kataoka/片岡英明 

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