【 1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー Vol.3】
【2】から続く ちなみに「FFジェミニ」という車名は、デビュー後も先代モデルがしばらく併売されており、区別するために付けられたもの。しかし、1987年のマイナーチェンジで先代が消滅したことで「ジェミニ」へと変更された。また、イルムシャーはこのFFジェミニのほかに、ピアッツァ、アスカ、ビッグホーンにもラインナップ。いすゞ車のスポーティーグレードとして一時代を築いた。
取材車両のオーナーは、FFジェミニのスタイリングが好きで、このイルムシャーを手に入れる前も同年式のcに5年ほど乗っていた。しかし、デビュー当初からあこがれていたイルムシャーを忘れられず、自身がもっとも似合うと考えたビビッドレッドのセダンを3年かけて探し出したという。
この個体はオーナーが入手してから20年以上たっており、走行距離は30万kmオーバー。しかしこれまでに大きな故障はなく、いすゞのエンジンの丈夫さを実感。そして「毎日通勤で使い、遠出もする。乗って傷んだら直すという考えで、車庫にしまっておくつもりはありません」と生涯現役を誓った。
>> 【画像16枚】大径のタコとスピードを配置し、視認性に優れたメーター。タコの下側には、ターボの効きを4段階で表示するターボモニターも備わるなど>> インパネ形状は標準車と同じだが、MOMO製のステアリングが装備される。メータークラスター脇のサテライトスイッチは当時はやったデザイン。
>> フロントシートはレカロ製のセミバケットタイプを標準装備。ハードな走りでも身体をホールドしてくれる形状で、ヘッドレストはネット式だ。
OWNER’S VOICE/運転席は2脚目、ステアリングは3本目 本文で触れたように、ハチマル車といえども現代のクルマと同じように接しているオーナー。これまでに大きなトラブルはないものの経年劣化には勝てないようで、「運転席は2脚目、ステアリングは3本目です」と話す。
なお、近々ダンパー交換を予定しているが「純正パーツが欠品中で、現在は部品センターからの連絡待ちです」と嘆いていた。純正主義のオーナーには厳しい状況になりつつあるが、今後も末長く乗り続けていただきたい。
1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー(JT150)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4035×1615×1365
ホイールベース(mm) 2400
トレッド前/後(mm) 1410 / 1390
車両重量(kg) 930
エンジン型式 4XC1型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1471
ボア×ストローク(mm) 77.0×79.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 120 / 5800(High)105 / 5400(Low)
最大トルク(kg-m / rpm) 18.5 / 3400(High)16.3 / 3400(Low)
変速比 1速 3.727 / 2速 2.043 / 3速 1.448 /
4速 1.027 / 5速 0.829 / 後退 3.583
最終減速比 3.450
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / コンパウンドクランク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 185 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 154.9万円
初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー(全3記事)関連記事:ターボ車クロニクル 関連記事:ターボ 関連記事:ジェミニ 【1】【2】から続く