驚異的な静粛性! トヨタの半世紀に渡る技術の集大成となる、究極のプレステージサルーン|1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ Vol.2

高級車にふさわしいプレステージ性を持ち、かつ快適で安らぎを感じさせるデザインのインパネ。ステアリングはプログレ用で、センターパッドはレクサスLX純正を流用。

       
【1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ Vol.2】

【1】から続く

 トヨタの半世紀に渡る技術の集大成となったセルシオの見どころは多岐にわたる。なかでも新開発の4L V8・1UZ‐FE型は、セルシオを語るうえで重要なポイント。同エンジンは高効率なハイメカツインカムシステムを採用し、高性能と優れた燃費性能を高次元で両立。さらにシリンダーヘッドやブロック、オイルパンやバルブリフターにいたるまでアルミ合金製とし、大幅に軽量化。加えて、最新の生産技術を用いて高いレベルの精度とバランスを実現することで、エンジンの振動を抑え、驚異的な静粛性を手に入れたのである。

 また、優れた空力性能も静粛性に大きく関係している。優雅な造形と比類ない空力特性を融合したボディは、セダンで当時世界最高レベルのCd値0.29を達成。フロア自体をフラットにしつつ、大型エンジンアンダーカバーやフェアリングを設けて走行風をスムーズに導くことで、静粛性とともに、驚異的な高速安定性も実現した。

>>【画像19枚】この個体には、オーストラリア仕様の260km/hメーターが装着されていた、国産車初の装備となるブラックフェイスのパネルに針と文字盤が浮かび上がるオプティトロンメーターなど



エレクトロマルチビジョンは、後期で新設定されたオプション。シフトノブもプログレ純正だ。





リアシートのセンターアームレストでは、シートヒーターやエアコンの調整が可能。収納されるドコモの携帯電話は懐かしのmova端末。一見ダミーのように見えるが、純正テレホンコンピューターも装着している本物志向。





Fパッケージには、助手席の前傾と前方スライド、ヘッドレストの前倒しが行えるパッセンジャーシート制御システムを装備する。







後期の場合、サンルーフは全車にオプション。ヘッドライニングはUS仕様で、コーションラベルがバイザー内側に貼り付けられているのが特徴。



1993年式 セルシオ C仕様 Fパッケージ(UCF11)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4995×1830×1410
ホイールベース(mm)  2815
トレッド(mm) 1565(前後とも)
車両重量(kg)  1830
エンジン型式  1UZ-FE型
エンジン種類 V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 3968
ボア×ストローク(mm) 87.5×82.5
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 260 / 5400
最大トルク(kg-m / rpm) 36.0 / 4600
変速比 1速 2.531 / 2速 1.531 / 3速 1.000 / 4速 0.705 / 後退 1.880
最終減速比 3.916
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225 / 60R16(前後とも)
発売当時価格 654.0万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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