オーダーは「工場出荷と同じ状態にしてほしい」|1985年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド Vol.3

3LのAT車のみにオプション設定されたエレクトロ・マルチビジョン用のテレビリモコンはコンソールボックス内に収納。

       
【時代の主役を争った2台のハイソカー|プライドをかけた戦い ソアラvsレパード】

80年代初頭に巻き起こったハイソカーブームにおいて、欠かせない存在がソアラとレパード。
両車とも各メーカーの最高級パーソナルカーとして開発され、2世代に渡ってしのぎを削った。
この戦いは両メーカーが威信を賭けた、負けられない戦いだったのだ。

【1985年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド Vol.3】

【2】から続く

 一方、オーナーとアンリミテッドの出会いは2年前。もう1台のソアラのトランスミッションを載せ換えたくていくつかのショップを訪れたオーナーは、アンリミテッドで代表の西桐直人さんと会話を重ね、「この人は信頼できる」と感じたそうだ。実際、そのときの仕事ぶりで印象は確信に変わり、「ドクターに任せて良かった」とオーナーは話す。ちなみに、オーナーは「主治医」、「博士」を意味する「ドクター」という呼び名で西桐さんに敬意を表している。

 そして今回のフルレストアも西桐さんに依頼するのだが、オーナーのオーダーは「工場出荷と同じ状態にしてほしい」ということだけ。これに対して西桐さんは「具体的な内容でないから答えがないし、妥協が許されないんですよ。すごくハードルが高いですよね」と語る。フルレストアはボディの仕上げからエンジンや足回りのオーバーホールはもちろん、ネジ1本に至るまで細心の注意とこだわりが注がれた。また、新品部品がない樹脂系のパーツは徹底的に磨き上げられている。

 こうしてできあがったオーナーのソアラは、まさに新車のようだ。おそらく、日本全国を探してもこれ以上の個体はないだろう。

>>【画像27枚】エンジンルーム内のボルトを見ると「触っていない」ことが分かる、素材や色を合わせ、まるで新品のような仕上がりでメッキ処理で再生された、ナット、ボルト、ステーなど




日本車の常識を覆した一台が、新車のように生まれ変わる。



1985年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド(MZ12)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1695×1360
ホイールベース(mm) 2660
トレッド前/後(mm) 1440/1450
車両重量(kg) 1360
エンジン型式 6M-GEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHC
総排気量(cc) 2954
ボア×ストローク(mm) 83.0×91.0
圧縮比 9.2:1
最高出力(ps/rpm) 190/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 26.5/4400
変速比 1速2.804/2速1.531/3速1.000/
4速0.705/後退2.393
最終減速比 3.583
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 398.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド(全3記事)

プライドをかけた戦い! ソアラvsレパード

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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