REは世界へ向けて順風満帆に展開していくはず、だった。レシプロに代わる未来予想図|1975年式 マツダ サバンナ AP GT Vol.2

サバンナ AP GT、硬派のGTだ。

       
1968年7月にファミリアロータリークーペ、1969年10月にルーチェロータリークーペ、1970年5月にカペラ ロータリーセダン&クーペ、そして5番目のRE搭載車種として71年9月にデビューしたのが、サバンナだ。

【1975年式 マツダ サバンナ AP GT Vol.2】

【1】から続く

 レシプロに代わる未来のパワープラントとして、REは世界へ向けて順風満帆に展開していくはず、だった。しかし1973年秋に端を発する第1次オイルショックによって、REの燃費性能の低さがやり玉に挙がり、世間の風向きが急変。一気に逆風へと転じてしまった。エンジン性能の高さを考慮すれば、決して燃費の悪さだけを取りざたする必要はないはずだが、世の中の風潮は残酷だった。RE搭載車はまったく売れなくなり、東洋工業の業績も瞬く間に下降線をたどることになる。

中期型以降、六角形の意匠に変更されたリアコンビランプなど【写真28枚】


 だがREは死ななかった。排ガス規制適合車としてのポジションを確立。昭和50年規制、51年規制に合格し、燃費性能も改善したモデルを立て続けに発売することで、REの負のイメージを少しずつ払拭することに成功した。




ステアリングのセンターパッドに付く、赤いロータリーマークが引き立つ、ブラックに統一された印象的なインテリア。





コンソール中央の3連メーター。左からサイドブレーキ・ウオーニング/水温計、電流計/燃料計、時計の順。





オルガンタイプのアクセルペダルとともに、シンプルなデザインのABCペダル。


1975年式 マツダ・サバンナAP GT(S124AB)
SPECIFICATION 諸元
全長 4075mm
全幅 1595mm
全高 1355mm
ホイールベース 2310mm
トレッド前/後 1310/1300mm
最低地上高 160mm
車両重量 935kg
乗車定員 5名
最高速度 190km/h
登坂能力(tanθ) 0.72
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 12A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 573cc×2
最高出力 125ps/7000rpm
最大トルク 16.2kg-m/4000rpm
変速機前進 5段/後退1段
変速比 1速 3.683/2速 2.263/3速 1.397/4速 1.000/5速 0.862/後退 3.692
最終減速比 3.727
燃料タンク容量 60L
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架/車軸式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ前後とも Z70-13-4PR
発売当時価格 106.4万円


【3】に続く


初出: ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 マツダ サバンナ AP GT(全3記事)

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photo : HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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