5番目のRE搭載車種としてデビューしたサバンナ。72年、12A搭載。硬派のGT登場|1975年式 マツダ サバンナ AP GT Vol.1

フロントグリルに付くRE12のエンブレムは、12A型エンジン搭載車を意味する。

       
【1975年式 マツダ サバンナ AP GT Vol.1】

 1967年5月、コスモスポーツ発売。

 社運をかけて開発した、ロータリーエンジン(以下RE)搭載車の市販化を実現した東洋工業(現・マツダ)は、レシプロエンジンとは異質の、胸がすくような回転フィーリングが楽しめるRE搭載車の普及を一気に進めるため、この後、毎年のようにREのラインナップを増やしていった。

マイナーチェンジごとに変化していった各部のパーツ形状やエンブレムの位置など【写真28枚】

 1968年7月にファミリアロータリークーペ、1969年10月にルーチェロータリークーペ、1970年5月にカペラ ロータリーセダン&クーペ、そして5番目のRE搭載車種として71年9月にデビューしたのが、サバンナだった。

 コスモスポーツ、ルーチェロータリークーペに次ぐ3番目のロータリー専用車として開発されたサバンナは、491cc×2ローターロータリーの10A型エンジンを搭載。クーペと4ドアセダンの2つのボディが用意された。ちなみにコスモスポーツと同じエンジン型式の10A型が搭載されているが、サバンナのそれは量産仕様であり、素材や中身は別物と言っていいほど違うものとなっていた。

 そして、1972年9月、12A型エンジン搭載のGTが追加された。



トランクリッド右端にはAP車を示すエンブレム。





サバンナクーペ独特のボディラインは、デビュー当時の資料によると「アーチェリーカーブ」と名付けられていた。引き絞ったアーチェリーの緊張感と放たれた矢が、空気を切り裂いて飛んでいく感じの「ボディロアビード」をアクセントにしている、という。





前期型のテールランプは丸いレンズの意匠だったが、中期型以降は六角形の意匠に変更された。


1975年式 マツダ・サバンナAP GT(S124AB)
SPECIFICATION 諸元
全長 4075mm
全幅 1595mm
全高 1355mm
ホイールベース 2310mm
トレッド前/後 1310/1300mm
最低地上高 160mm
車両重量 935kg
乗車定員 5名
最高速度 190km/h
登坂能力(tanθ) 0.72
最小回転半径 4.3m
エンジン型式 12A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 573cc×2
最高出力 125ps/7000rpm
最大トルク 16.2kg-m/4000rpm
変速機前進 5段/後退1段
変速比 1速 3.683/2速 2.263/3速 1.397/4速 1.000/5速 0.862/後退 3.692
最終減速比 3.727
燃料タンク容量 60L
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架/車軸式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング&トレーリング
タイヤ前後とも Z70-13-4PR
発売当時価格 106.4万円


【2】【3】に続く

初出: ノスタルジックヒーロー 2015年 12月号 vol.172(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 マツダ サバンナ AP GT(全3記事)

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photo : HIROTAKA MINAI/南井浩孝

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