【フェアレディZ発表 52周年記念】Zカーの父、片山 豊さんゆかりのドライブコース、K’zロードを走ってみた!

2010年6月に行われたK’zロードのオープニング・セレモニーで、ダットサン14型の助手席に乗って、パレードに出発する片山豊さん。

       
第16回東京モーターショーの開催に先駆け、1969年10月18日に発表された初代フェアレディZ。そんなフェアレディZ=Zカーの父が、ミスターKこと故・片山豊さん。その生まれ故郷には、片山さんの名前を冠したドライブコースがある。今月18日のフェアレディZ発表52周年に際し、ノスタルジックヒーロー本誌スタッフが2015年、そのコースを走った記録をWEBにて再録します(記事中の内容は掲載当時のものです)。


【片山 豊さんゆかりのドライブコースK’zロード Vol.1】

 「Kzロード」とは、ミスターKこと故・片山豊さんの名前を冠したドライブコースだ。Zカーの父と呼ばれていた片山さんの生まれ故郷は、当時の静岡県周智郡気田村、現在の浜松市天竜区春野町で、その地に3本のドライブコースが設けられている。

春野中学校の正門の脇のK’zロードの看板や、「Mr.K 出身地」としてプロフィールが書かれている看板など【写真28枚】

 Kzロードのオープニングセレモニーが行われたのは、2010年6月6日。片山さんはちょうど満100歳だった。コースの設定については、実際に片山さんがアイデアを出している。その数年前、愛車のZ33フェアレディZを自ら運転して、奥さまと一緒に春野町を訪れ、コースの下見を行っている。最終的に地元の関係者と相談して3本のコースに決まったのだが、オープニングセレモニーのあいさつの中では、片山さんは次のように述べている。

「美しい天竜川の支流のある地に、きれいな緑の中をクルマで走れる道を作ってほしいとお願いして、3本のコースができました。ここに来てくださる皆さんには、春野の自然を楽しみながら走ってほしい。ゆったりとくつろいだ気分で、まるで馬に乗って走っている感じで……」

 気田川沿いの国道を通る「すみれコース」、国道から分かれて山あいの道をなぞる「やしおコース」、そしてスーパー林道を抜けていく「あきはコース」と、それぞれ雰囲気が異なるコースが用意されている。特に山間部の林道をたどる区間では、クルマの窓を開けて、愛車と豊かな緑が一体となる感覚を楽しんでほしい。20km╱h以下のスピードで、ゆったりのんびりと走ってみれば、片山さんが自慢していた春野の自然を、全身で感じることができるはずだ。

 ドライブの出発地としては、広い駐車場のある春野ふれあい公園がおすすめ。そこにあるKzロードの説明看板をしっかり読んでから出掛けてほしい。

 Kzロードの起点は、ふれあい公園から国道362号線を約9km行った先、気田の集落の中にある春野中学校の前になる。敷地内に「旧王子製紙製品倉庫」があり、ここにも説明看板がある。

 起点から北方向に走れば「やしおコース」、南方向に行けば「あきはコース」へとつながる。この記事内ではスペースが足りず、詳細な道案内ができないので、各コースの分岐などを写真で掲載しておく。あとは地図やカーナビを使って、自ら調べていただきたい。

 なお、コースの一部では民家の軒先を通過するところもある。改めて言うまでもないことだが、最徐行のうえ、静かに走り抜けてほしい。
 では、楽しいドライブを! 


●出発地へのアクセス

 春野ふれあい公園は、新東名高速道路の浜松浜北ICから約20km、森掛川ICから約25km。特に森掛川ICからのルートは、後半に気持ちのいいワインディングロードがあり、おすすめ。

すみれコース

 春野ふれあい公園をスタートして、国道362号線を左折。そのまま気田川に沿って延びる国道を北進。約8・5kmにある平木大橋の先を左折。気田の集落に入って道なりに0・2kmを左折。さらに0・2km先が起点となる春野中学校で、その敷地の中に旧王子製紙製品倉庫がある。全長約9km。

やしおコース

 起点から気田の集落を北方向に道なりに進み、1・2kmにある国道362号線の信号を左折。そのまま国道を約7km進むと平城橋の先に分岐。それを左に入る。高杉の分岐を左、その先から山道になる。3・7kmで右鋭角のターン。そこから4・2kmのログペンション・シンフォニーの看板が終点。Uターンして元の道を戻る。全長約16km。

あきはコース

 起点から南方向に約2kmで、右鋭角のターン。道は細く、民家の近くを通るので最徐行で通過。その先に「林道阿字山線」の看板があり、ここから山道が始まる。約7kmの分岐を左。さらに道なりに6・6km進んだところに秋葉神社上社の駐車場があり、ここが終点となる。全長約15・6km。ちなみに駐車場から国道152号線に向かう約8kmも、木立の間を抜けていく気持ちのいい道で、Kzロード完走のエピローグにふさわしい景色が続く。


 くれぐれも安全運転で、Kzロードでのドライブを満喫してください。


3本のコースの概略図。ドライブに出掛ける前には事前に下調べをして、当日は地図やカーナビを使って、コースを確認しながら走ってほしい。

春野中学校の正門の脇のK’zロードの看板や、「Mr.K 出身地」としてプロフィールが書かれている看板など【写真28枚】


2010年6月に行われたK’zロードのオープニング・セレモニーで、ダットサン14型の助手席に乗って、パレードに出発する片山豊さん。


出発地の春野ふれあい公園。上のタイトル写真の中心にある、赤いKの文字が付く説明看板に、3本のコースの地図や説明、片山さんのプロフィールなどが書かれている。


K’sロード起点


気田の集落の中にある春野中学校。その正門の脇にK’zロードの看板がある。


春野中学校の敷地の中に、起点となる旧王子製紙製品倉庫がある。1889(明治22)年に建てられた、れんが造りの建物だ(許可を得て、敷地内に駐車)。


製品倉庫の前には、K’zロードにまつわる看板が立つ。

建物の名称。


春野ふれあい公園と同じデザインの説明看板。


「Mr.K 出身地」としてプロフィールが書かれている。






取材に参加していただいたZカー・ワンメイククラブ、DSCC中部のメンバーとその仲間の皆さん。K’zロードの実現にも当初から参加。今回のS30Zを使った撮影にも快く応じていただいた。ご協力ありがとうございました。

【2】【3】【4】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 10月号 vol.171(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


片山 豊さんゆかりのドライブコース(全4記事)

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text & photo : NOSTALGIC HERO/編集部 illust : MASAKI TAKANASHI/高梨真樹

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