ボディ総はく離のレストアから3年! 憧れのケンメリは新車のように輝く|1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X Vol.1

ケンメリはある意味特別なクルマ。

       
【1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X Vol.1】

 憧れを実際のものとするのが大変なことだ、というのは多くの人が理解していることだろう。そのため、憧れは憧れのままにしている人も多い。しかしその大変さが十分に分かるからこそ、本当に憧れを現実のものとした人のことは尊敬に値する。少年時代に憧れていたクルマを手に入れ、妥協することなく理想のスタイルへと仕上げるということ。それは途方もない時間と手間、予算が必要となる。そんな夢への挑戦を、現実に見せてくれているのがこのKGC110ケンメリだ。

 1974年というのは、人々の生活や文化意識に大きな影響を与えた大阪万博が開催された4年後。それ以前は一部の裕福な家庭にしかなかったカラーテレビが一般的なものとなり、自家用車を持つこともあたり前となりつつあった時代だ。この時代に幼少期を過ごした人は、現代以上に大幅な進化を続けていくクルマや家電製品を見てきていて、それらが登場したときに受けた衝撃を、いまでも忘れてはいない。

 幼少期のオーナーさんにとって、それまでのスカイライン、つまりハコスカの販売が終了し、このケンメリが登場したときの衝撃は恐ろしいほど大きなものだった。流麗なスタイルはもちろん、「ケン&メリーの」というキャッチコピーやイメージ戦略も含めて、カルチャーショックといってもいい衝撃をケンメリは世の中にもたらした。同世代の、今は「おっさん」と呼ばれる人たちにとって、ケンメリはある意味特別なクルマといっていいだろう。


永井電子のステッピングモーターを採用したタコメーターなどを装備したコクピット。GT-Xの純正品ではなく、GTの純正品に換装したシートなど【写真25枚】


1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディ総はく離レストア/イーストカー製フロントスポイラー/純正リアスポイラー
■エンジン:L28型改3.1L仕様/φ89mm鍛造ピストン/L20型用コンロッド/LD型用クランク/圧縮比12.2:1/9.5mmリフトカム/イスキー製強化スプリング/ニスモ製プーリー
■点火系:亀有製デスビ(固定進角)/MDI
■吸排気系:ソレックス44PHH(アウターベンチュリーφ38mm/亀有製等長スチールタコ足/ラバーソーウル製φ50mmステンレスデュアルマフラー
■冷却系:純正改3層ラジエーター/setrab製オイルクーラー
■駆動系:亀有製強化クラッチ/71Cミッション/DR30用R200LSD(ファイナル3.9)
■サスペンション:(F)スターロード製フルタップ車高調(バネレート8kg/mm)、(R)スターロード製ショック(バネレート18kg/mm)/ARC製リアスタビライザー
■ブレーキ:(F)S130Z用フロントキャリパー
■インテリア:永井電子製タコメーター/大森製メーター(油温、油圧、水温)/亀有製燃圧計/純正GT用シート(リバイブジャロピーにて張り替え)
■タイヤ:(F)ダンロップDZ101 205/50R15、(R)ブリヂストン・ポテンザRE-01 225/50R15
■ホイール:RSワタナベ(F)15×9J、(R)15×10.5J


【2】【3】に続く









まるで新車のようにレストアされた各部。



初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-X(全3記事)

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text:SHIOMI MAKOTO/塩見 誠 photo:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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