5万台超えの受注! 「予約者全員分のパオを造る」ことを約束|1989年式 日産 パオ Vol.3|パイクカームーブメント

中国語の包(パオ)に由来し、モンゴルの遊牧民のゲオである「組み立て式家屋」を意味する車名を持つパオ。

       
【1989年式 日産 パオ Vol.3】

Vol.2から続く

 さて、大きな期待とともに1989年にデビューしたパオの販売は、多くの応募があったにもかかわらずクルマを届けられなかったBe‐1の反省を踏まえて期間限定受注方式へ。つまり、「予約者全員分のパオを造る」ことを約束したのだ。予約受注の期間は89年1月15日から4月14日までの3カ月間に設定。日産のもくろみとしては、Be‐1を上回る1万2000台の生産計画を立てた。しかし、ふたを開ければ受注開始から2日間で8000台を、2週間で2万台を超える予約が殺到。結果的には5万1657台もの受注を集めたのだ。Be‐1に引き続きパオの生産を担当した高田工業の増産態勢だけでなく、新たな拠点での生産も行ったが、それでも納期は1年半にもおよんだ。

特徴的だったインテリアのディテールなど【写真6枚】

 パイクカー3部作中、圧倒的な販売台数で現存車両が最も多いパオ。さすがに20年以上経つだけに、ミントコンディションだけではない。しかし、適度なヤレ具合や傷みが味となって、道具感あふれるパオらしい雰囲気を醸し出している車両も多い。冒険に危険はつきもの。そんなパオを見て、デザイナーは思わずほおを緩めているかもしれない。

1989年式 日産 パオ(PK10)
SPECIFICATIONS 主要諸元
カラー アクアグレー
車台番号 PK10-0054##
走行距離 6万2386km
日産 パオ(PK10)
全長×全幅×全高(mm) 3740×1570×1475
ホイールベース(mm) 2300
トレッド前/後(mm) 1365/1355
車両重量(kg) 750
エンジン型式 MA10S型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 987
ボア×ストローク(mm) 68.0×68.0
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps/rpm) 52/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 7.6/3600
変速比 1速2.826/2速1.542/3速1.000/後退2.364
最終減速比 3.889
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 / 後 ストラット/4リンクコイル
ブレーキ前 / 後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 155SR12
発売当時価格 144.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年 8月号 Vol.022(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 日産 パオ(全3記事)

関連記事:パオ

関連記事:パイクカームーブメント

関連記事:パイクカー

photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖 text : Rino Creative/リノクリエイティブ 

RECOMMENDED

RELATED

RANKING