エンジンの調子は悪く、主人を失ったクルマ特有の不具合が。〜別れと出会い〜 フェアレディ240ZGがつなぐ人と人との絆|1971年式 日産 フェアレディZ 240ZG Vol.2


L24型の火は落ちることなく回り続ける
1971年式 日産 フェアレディZ 240ZG
 
 前オーナーがしっかりとレストアをしていたおかげで、ほとんど手を入れるところはなかったという。しかし、エンジンの調子は悪く、主人を失ったクルマ特有の不具合が出ていた。

フェアレディZ 240ZG エンジン

 といっても、メンテナンスしたことは、アーシングをし、きれいに磨き上げる程度。あとは、積極的に乗ることを心がけたという。「クルマは乗ってやることが大事」とエンジンを回し続けた。

 そんなクルマとの付き合いを1年間続け、ようやくエンジン本来のパワーを感じられるように。

 もともとサーキット走行をしていただけに、スポーツドライビングが大好きな秋吉さん。フェアレディZのエンジンをしっかりと回す走りに、古くからのコブラ仲間からは「クルマを壊すのではないか?」と心配の声が上がったほどだ。

フェアレディZ 240ZG

 そんな、エンジンの復活を一番喜んだのはいとこだった。快調なクルマの姿を見て、目を輝かせ、ようやくクルマを直視できるまでの状態になっていた。

 最近ではいとこ同士でイベントへ顔を出すことも増えてきたという。一番の目的は前オーナーの築き上げたクルマ仲間とのつながりを復活させること。

 ほんの少しだけ歩みを緩めたフェアレディ240ZGであったが、確実に前に進み始めた。クルマにかかわってきた人々が再びつながり、オーナー、そして家族からは笑顔があふれるように。

フェアレディZ 240ZG

 今は現状を維持しながら、グッドコンディションをキープすることを心がけている。そして、次なる目標が。

「前オーナーには娘さんがいるので、子供ができたら、その孫にこのクルマを乗ってほしいんです」と秋吉さん。

 フェアレディ240ZGとの付き合いは、まだまだ、長く続きそうだ。

フェアレディZ 240ZG
 


その 2 

<SPEC>
71年式 日産 フェアレディ240ZG(HS30)
●全長4305mm●全幅1690mm●全高1285mm●ホイールベース2305mm●トレッド前/後1355mm/1345mm●最低地上高160mm●室内長835mm●室内幅1390mm●室内高1070mm●車両重量1010kg●乗車定員2名●最高速度210km/h●登坂能力tanθ0.467●最小回転半径4.8m●エンジン型式L24型●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC●総排気量2393cc●ボア×ストローク83×73.7mm●圧縮比8.8:1●最高出力150ps/5600rpm●最大トルク21kg-m/4800rpm●変速比1速2.906/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382●最終減速比3.900●燃料タンク容量60L●ステアリング形式ラックアンドピニオン●サスペンション前後ともストラット式独立懸架●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング●タイヤ前後とも175HR-14●発売当時価格150万円



掲載:ノスタルジックヒーロー 2017年8月号 Vol.182(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Satoshi Kamimura/神村聖

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