当時と同じ音を奏でるこだわりのスカイラインGT-R 2

スカイラインGT-Rに搭載されるS20型エンジン

当時と同じ音を奏でるこだわりの1台
69年式 日産スカイライン2000GT-R
 
 取材車両のオーナーである、小山さんは、GT-Rに出合う前には、直列4気筒DOHCの2T-G型エンジンの音が気に入って、TE27カローラレビンに乗っていたが、S20型のエンジンサウンドにたちまち魅了されたのも当然のことといえるだろう。

 そうして小山さんが2ドアハードトップのハコスカGT-Rを入手したのがおよそ30年ほど前のことだ。ではなぜ現在の4ドアGT-Rになったのかと尋ねてみた。

「ハードトップを買った少し後に、非常に状態のいい69年式4ドアGT-Rに乗っているオーナーと知り合ったんです。4ドアセダンにS20型が搭載されている『羊の皮を被った狼』っぽさも魅力的でしたが、なにより地元茨城の『茨』1文字のナンバーだったことが大きかった。そこで『手放す際はぜひ私に』と持ちかけていたところ、少ししたらそのオーナーさんがR32スカイラインGT-Rに乗り換える話になり、譲ってもらえることになったんです」と語ってくれた。



 購入時にハーネスなどを新品交換し、エンジンも15年ほど前に大がかりなメンテナンスをしたものの、内外装に関しては購入以来25年間レストアを行うこともなく、写真で見ても分かるように素晴らしい状態が維持されている。

 オリジナル状態にもこだわっており、ステアリングやホイールも純正品を保管していて、必要に応じて交換するという念の入れようだ。


スカイライン GT-R

 マフラーも純正のスチールマフラーを装着。スチール製マフラーはどうしても腐食が避けられないので、ステンレスなどに交換するオーナーが多いのだが、小山さんは純正マフラーの音が気に入っており、交換してしまうとサウンドが変わってしまうということで、複数の純正マフラーを用意してオリジナルの状態で維持している。

 現在3本目で、もう1本予備があるので、しばらくは心配ないそうだ。

スカイライン GT-R

スカイライン GT-R 内装

 25年の間には、幼かった子どもたちを乗せて出かけた思い出などもたくさんあり、小山さんの奥さまや子どもたちにとっても、今や家族の一員のような存在だという。

 この美しさは、普段からかけられている愛情を体現しているのかも知れないと思わせる1台だ。



<SPEC>
69年式 日産 スカイライン 2000 GT-R(PGC10)
●全長4395mm●全幅1610mm●全高1385mm●ホイールベース2640mm●トレッド前/後1370/1365mm●最低地上高160mm●室内長1775mm●室内幅1300mm●室内高1120mm●車両重量1120kg●乗車定員5名●登坂能力sinθ0.490●最小回転半径5.3m●エンジン型式S20型●エンジン種類水冷直列6気筒DOHC●総排気量1989㏄●ボア×ストローク82.0×62.8㎜●圧縮比9.5:1●最高出力160ps/7000rpm●最大トルク18.0㎏-m/5600rpm●変速比1速2.957/2速1.853/3速1.311/4速1.000/5速(OD)0.852/後退2.922●最終減速比4.444●燃料タンク容量100ℓ●ステアリング形式リサーキュレーティング・ボール(ギア比18.5)●サスペンション前/後ストラット・コイル/セミトレーリングアーム・コイル●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング●タイヤ前後とも6.45H14-4PR●発売当時価格150万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 Vol.191(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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