最高速度100km/h以上! 「国民車構想」に端を発して開発されたパブリカ。そして2代目へ|1973年式 トヨタ パブリカバン 1000 デラックス Vol.1

パブリカバン1000デラックスのサイドエンブレム。2代目パブリカバンは、マイナーチェンジ後も合わせると1200、1000、800の3種類がラインナップされている。

       
【1973年式 トヨタ パブリカバン 1000 デラックス Vol.1】

 モータリゼーションが進み、今やクルマは一家に1台どころか、一家で2〜3台所有していても驚きがないほど、一世帯あたりのクルマの所有率は高まっている。自動車の大衆化が本格的に始まったのは、1955年に通産省による「国民車構想」が発表されてからのこと。定員4人、最高速度100km/h以上、エンジン排気量350〜500cc、燃費30km/L以上、販売価格25万円以下という非現実的な国の構想だったが、いくつかの自動車メーカーはこの計画に呼応して、小型自動車の試作を開始した。トヨタ自動車工業もU型エンジンの原型となる開発ナンバー「4E」エンジンで試作車を製作。60年の第7回全日本自動車ショーで小型乗用車を発表するとともに車名を公募して、翌61年6月に「パブリカ」として発売を開始した。

 「国民車構想」に端を発して開発されたパブリカだが、機能性とコストダウンを重視するあまり、外観、室内ともに簡素で大衆からは支持されず、2年後にデラックス仕様を追加するまで鳴かず飛ばずの状態だった。

 そんな状況をふまえて、69年4月にボディをひとまわり大きくした2代目のKP30系型パブリカをリリース。2ドアセダン、2ドアバン、ピックアップの3種類をラインナップして、新たにカローラ用の1.1Lと廉価版用の1Lの水冷直列4気筒エンジンを追加している。

 バンはビジネスはもちろんレジャー用として人気があり、ここで紹介する井上さんのパブリカバンも長年、仕事の場で活躍してきた1台だ。

Vol.2、Vol.3へ続く

「道幅をとらず、積み降ろし作業ができ、雨の日には屋根がわりになる」というのが当時のカタログのうたい文句の、1枚はねあげ式のリアゲートなど【写真6枚】

1973年式 トヨタ パブリカバン 1000 デラックス記事一覧(全3記事)

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1973年式 トヨタ パブリカバン 1000 デラックス(KP36V-D)主要諸元
●全長3705mm
●全幅1460mm
●全高1410mm
●ホイールベース2160mm
●トレッド前/後1235/1200mm
●最低地上高170mm
●室内幅1215mm
●室内高855mm
●車両重量700kg
●乗車定員2(5)名
●登坂能力tanθ0.34
●最小回転半径4.4m
●エンジン型式2K型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量993cc
●ボア×ストローク72×61mm
●圧縮比9.0 : 1
●最高出力58ps/6000rpm
●最大トルク7.9kg-m/4000rpm
●変速比1速3.684/2速2.050/3速1.383/4速1.000/後退4.316
●最終減速比4.444
●燃料タンク容量30L
●ステアリング形式ウオーム・セクタローラ
●サスペンション前/後 独立懸架コイルばね/非対称半楕円板ばね
●ブレーキ前/後 ツーリーディング/リーディングトレーリング
●タイヤ前/5.00-12-4PR/後5.00-12-4PRまたは5.00-12-6PR
●発売当時価格43.95万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年8月号 Vol.158(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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