「10年以上も前から欲しかったんですよ」そして手に入れて車検取得まで1年!|1989年式 マーチ スーパーターボ Vol.2

930ccとなるMA09ERT型エンジン。

猫も杓子もターボといわれた1980年代。

 そんな時代に生まれたのがマーチスーパーターボだ。このクルマ最大の特徴は、ターボとスーパーチャージャーという2つの過給器を搭載している点。このエンジンのメリットは、低回転域をスーパーチャージャーで過給して低速トルクとレスポンスを向上。一方、高回転域はターボチャージャーが担当し、ハイパワーをもたらす。

 日産が「全域で扱いやすさを追求して開発した」というだけあって、この時代特有のドッカンターボ感はなく、非常に乗りやすく仕上がっている。発進からしっかりとトルクが立ち上がるため、排気量が1Lに満たないなんてうそのようだ。さらに、高回転域でのパワーと加速感は、1・2Lクラスのそれを確実に上回っている。スーパーチャージャーとターボの切り替わりも、この時代の技術としては非常にスムーズで、それほど違和感も感じられない。

 このダブルチャージャーシステムを搭載したクルマは、後にも先にも国産車ではマーチスーパーターボのみ。まさに「技術の日産」を証明したと言っても過言ではない。そんな唯一無二の存在であることも、このクルマの価値を高めている要因だ。

そしてそんなクルマに対し「10年以上も前から欲しかったんですよ」と言うオーナーの萩原さん。

その理由は、小さくて手頃で、運転が楽しいクルマが欲しかったから。そして何よりダブルチャージャーという技術が、メカマニア心をくすぐったそうだ。そして大手ネットオークションで見つけたのが、走行距離3万3000kmの1オーナーかつ無事故車というこの個体で、実車を確認して即決したという。

 購入したのは2009年末だが、車検を取得して乗れるようになったのは1年後。その間、ネットオークションなどで部品を調達し、可能な限り自らで整備・部品交換を行って仕上げた。「購入した部品の状態に納得できず、同じようなパーツがいくつも転がってますよ」と、失敗談も笑って話す萩原さんは、本当にこのクルマが好きなのだ。

 そのかいあって、これまでに大きなトラブルもなく、1年半、1万2000kmほどをともに過ごしている。


987ccターボのMA10ET型をベースに、ラリー選手権1600ccクラスに収まるよう、930ccに変更されたMA09ERT型エンジン(マーチはターボ系数を1.4ではなく世界基準の1.7に設定されていた)。


タイヤサイズは、純正は175/65R13だが175/60R14に変更。ホイールはインパル製の14インチを装着。フィン部分がホワイト塗装された凝ったデザインで、購入時に装着されていた。当時の標準ホイールはスチールで、ボディ同色のフルホイールカバーが組み合わされていた。


マフラーは、車検取得時にメインマフラーを新品に交換。現在サブマフラーも交換予定で新品を準備済み。


オリジナルの状態を保っているインパネ周辺。ステアリングとシフトノブ、ペダルをニスモ製に変更。オーディオはM35ステージアの純正品に交換。


掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Daijirou Kouri/郡 大二郎

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