そしてスペシャルへ。40年以上を経て走行わずか2万4000kmの個体|ロータス ヨーロッパ・スペシャル Vol.3

●1974年式 ロータス ヨーロッパ・スペシャル

 すでにコンストラクターとして頂点に立っていたロータスが1966年に送り出した ヨーロッパは、彼らがロードカーにおいてもミッドシップという武器を得て、 新たなステージに立ったことを宣言する象徴的な存在となった。

 対米市場向けに、「モアパワー」の声に応えるため73年に登場したスペシャルでは、DOHCエンジンを搭載。ここでヨーロッパは商品として完成の域に達する。



関連記事:ミッドシップという新たな武器を得たロータスのロードカー|ロータス ヨーロッパ・スペシャル Vol.1



 前年からチーム・ロータスのスポンサーとなったJPSカラーをまとったヨーロッパは、F1と直結したスポーティーなイメージを手に入れることに成功。モデル末期にしてシリーズ最高となる3200台あまりの生産台数を記録したのだ。

 それはまた、ミッドシップGTという新しいスタイルのあるべき姿を模索し続けたヨーロッパの進むべき方向が、間違っていなかったことの証明ともなった。


 取材したヨーロッパ・スペシャルは73年10月製造の74イヤーモデルで、ラグーンブルーという純正色に塗られた北米仕様。

 おそらく日本に存在するヨーロッパの中はもちろん、北米仕様のスペシャルとしては、世界的に見ても屈指のオリジナリティーの高さを誇る個体である。

 ちなみにロールアウトから40年近く経った今でも、その走行距離はわずか1万4700マイル(約2万3520km)あまり。その証拠にリアのショックアブソーバーは新車時のアームストロング製のままだ。ギアボックスは、当時ほとんどのオーナーが選んだといわれるオプションの5速仕様だ。



オリジナリティーを非常によく保った取材車のインテリア。シート間のリアバルクヘッドにつくポケット、ビニールレザーが張られたセンターコンソールなどはスペシャルでも最後期型の特徴。

シートはセンター部がファブリック、周りがビニールレザーのコンビ。またレザー張りのステアリングとダッシュボード、ロール式のシートベルトは北米仕様の特徴。

英国&EC仕様では、ステアリングはビニールレザー、ダッシュは樹脂むき出し、シートベルトはつり下げ式と、装備が簡略化されてしまう。

またハメ殺しウインドーのS1では走行時の通風によるベンチレーションが試みられたが、S2以降はフロントラゲージ内にブロワーモーターが設置され、快適性がわずかながら改善されている。





74年式 LOTUS EUROPA SPECIAL
全長 4000mm
全幅 1638mm
全高 1117mm
ホイールベース 2340mm
トレッド 前1375mm/後1385mm
車両重量 730kg
乗員定員 2名
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1558cc
ボア&ストローク 82.55×72.75mm
圧縮比 10.3:1
最高出力 113bhp/6500rpm
最大トルク 15.6kg-m/5500rpm
サスペンション 前ダブルウイッシュボーン、コイル、スタビライザー
        後ラジアスアーム、ロワ・トランスバースリンク、コイル
ブレーキ 前ディスク/後ドラム
ホイール 5.5J×13
タイヤ  前175/70HR13/後185/70VR13


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年6月号 Vol.151(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Yoshio Fujiwara/藤原よしお photo:Daijiro Kori/郡 大二郎

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