ピアッツァ! ではなくてアッソ・デ・フィオーリ。3Dプリンタも使ってレストア|いすゞ自動車の歴史と技術を、次世代へ継承する Vol.3 

ピアッツァのプロトタイプ、アッソ・デ・フィオーリ

       
●エルフ誕生60周年を迎えたいすゞ自動車

現在ではトラックやバスなどの商用車メーカーとして知られるいすゞ自動車だが、旧車ファンに人気の高い117クーペやベレット、ジェミニといったさまざまな乗用車を生産していたという過去も持つ、歴史あるメーカーだ。

 そんないすゞ自動車が取り組んでいるのが、過去に生産してきた乗用車や商用車を修復して保存する、レストア事業である。

 2017年にオープンした「いすゞプラザ」や藤沢工場のエントランスホールなどに展示されているクルマを紹介する。


1961年式 ヒルマンミンクス[PH100]
いわゆる2代目に当たるヒルマンミンクスもレストア。初代とこの2代目ヒルマンミンクスで蓄積した技術が、後継車種であるベレルや、ベレットなどの自社開発のクルマたちが誕生する礎となった。

61年にマイナーチェンジが実施された後の個体で、現在、藤沢工場のエントランスに3代目エルフとともに展示されている。


ドンガラ状態にされて板金・塗装された1961年式ヒルマンミンクス。



関連記事:エルフ誕生60周年。歴史を飾るクルマたち|いすゞ自動車の歴史と技術を、次世代へ継承する Vol.4 






ルームランプカバーは一度3Dプリンターで作成したものを真空注型用のマスターとして利用し、パーツを作成している。






ヒルマンミンクスの印象的なフロントグリルも3Dプリンターで3分割して作成。メッキを施すことで、当時の見た目と変わらない姿を取り戻した。


1924年式 ウーズレーCP型
東京石川島造船所時代の1924年にウーズレーと提携して生産されたトラック。
いすゞのトラックの原点とも言える1台で、いすゞプラザの入り口に展示されている。




1967年式 ベレットエキスプレス
今となってはなかなか見かけない、ベレットのバン仕様。名前と外観のスタイルはベレットだが、シャシーはピックアップトラックのワスプと共通となっている。ネーミングも洒落ている。



1966年式 ベレット 4ドアセダン
ベレルに続いて登場した小型車。現在では「ベレG」のスポーツイメージが強いが、こちらは4ドアセダンのAT仕様という実用的なモデル。




1953年式 ヒルマンミンクス
初代ヒルマンミンクスの中でも最初期型に当たる個体。いすゞの乗用車生産の始まりを告げる、記念碑的なモデルである。


1956年式 ヒルマンミンクス
こちらは初代モデル最終型のヒルマンミンクス。故・高峰秀子さんを乗せ、前オーナーが運転手として映画に登場したこともあるという個体。



1979年式 アッソ・デ・フィオーリ
ジュネーブモーターショーで発表されたピアッツァのプロトタイプ。2001年という早い時期にレストアされており、2015年のノスタルジック2デイズにも展示された。

 

掲載:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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