世界初の機能がついたシルビア【2】BNR32キャリパー&Z31用ハブで5穴化など、純正流用進化させた1台|1985年式 日産 シルビア クーペ RS-X

直線基調のクーペボディは、今見ると新鮮。リアコンビランプのデザインは、シルビアでは縦に3本のラインが入るが、ガゼールは横に2本のラインが入る

【1985年式 日産 シルビア クーペ RS-X VOL.2】

 基本性能の高さと流行を取り入れたデザイン、先進装備の数々は、今でも目を見張るものがあるはずだ。

 ちなみにS12の後継となるS13では、再びスペシャリティーカーとしてのイメージを強調。その結果、プレリュードと人気を二分するデートカーとして大ヒット。その一方で、FR+ターボというパッケージングから、走り系ユーザーにも支持され、皮肉にもシルビア史上最大のヒットモデルとなった。

 オーナーはFJ20型車に乗りたくて、S110シルビアを探していた。DR30ではなかったのは、若い頃Z20型搭載のS110に乗っており、RSがデビューしたときに買い替えることができなかったという過去があったから。そんな理由でS110のRSを探していたところ、この個体を発見。それまでS12に特別な思い入れはなかったが、ワンオーナーで走行距離2.5万㎞という極上コンディションにほれて購入を決意したと言う。

 愛車は一見するとホイールのみ交換した程度に見えるが、じつは細部にこだわりのモディファイを実施。足まわりはZ31用のダンパーを使った自作車高調を組み、ハブやメンバーもZ31用を流用して5穴化。さらにフロントブレーキにはBNR32キャリパーをおごるなど、純正のスタイルを崩すことなく、運動性能向上を目指している。

 そして今では、さらに2台のターボRS‐X(クーペとハッチバック)を入手。ナンバーが切れている状態だが、ハッチバックはいずれ直して公道復帰させ、クーペは息子に譲る予定。親子でS12を楽しむ青写真を描いている。

>>【画像16枚】自然吸気のFJ20型は最高出力150psを発揮。ターボの190psと比べると見劣りしてしまうが、それでも走りは十分に軽快だ。スペシャリティーカーとしての一面を持つだけに、ソフトパッドを用いてステッチを入れるなど、質感も高いインパネ。ステアリングはナルディ・クラシックを装着する


低いボンネットのS12にFJ20型を搭載すると、ボンネットにエンジンが干渉してしまう。それを防ぐために設けられているのが、ボンネット上の大きなパワーバルジ。
>> 低いボンネットのS12にFJ20型を搭載すると、ボンネットにエンジンが干渉してしまう。それを防ぐために設けられているのが、ボンネット上の大きなパワーバルジ。


ホイールはボルクレーシングのエボリューション4。S12でインチアップする場合は16インチが定番だが、この個体は17インチをチョイス。また、フロントブレーキにはBNR32純正のキャリパーとローターをおごる。
>> ホイールはボルクレーシングのエボリューション4。S12でインチアップする場合は16インチが定番だが、この個体は17インチをチョイス。また、フロントブレーキにはBNR32純正のキャリパーとローターをおごる。

【全ての画像を見る】

1985年式 日産 シルビア クーペRSーX

主要諸元 SPECIFICATIONS

シルビア クーペ RS-X(US12)
●全長×全幅×全高(㎜) 4430×1660×1330
●ホイールベース(㎜) 2425
●トレッド前/後(㎜) 1390/1425
●車両重量(㎏)  1140
●エンジン型式  FJ20E型
●エンジン種類 直列4気筒DOHC
●総排気量(cc) 1990
●ボア×ストローク(㎜) 89.0×80.0
●圧縮比 9.1:1
●最高出力(ps/rpm) 150/6000
●最大トルク(㎏-m/rpm) 18.5/4800
●変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/ 4速1.000/5速0.833/後退3.382 最終減速比 4.111
●ステアリング ラック&ピニオン サスペンション前/後
●ストラット/セミトレーリングアーム
●ブレーキ ベンチレーテッドディスク/ディスク タイヤ 195/60R15(前後とも)
● 発売当時価格 224.0万円

【すべての写真を見る】


初出: ハチマルヒーロー 2018年 3月号 vol.46
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

985年式 日産 シルビア クーペ RS-X(全2記事)

関連記事:ニッサン

TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:HIROTAKA MINAI/南井浩孝

RECOMMENDED

RELATED

RANKING