高性能エンジン&シャシーによる高い走行性能、シャープかつエレガントなスタイリング、快適性と先進性を追求した最新装備など、初代ソアラはスペシャリティーカーとして高い資質を備えただけでなく、つねに進化を求めていた。こうして培ってきたエンジンをはじめとするメカニズムやエレクトロニクス技術は、2代目ソアラで昇華する。エンジンは3ℓがターボの7M ‐GT型に刷新され、2ℓには新たに ツインターボの1G-GT型も追加。
サスペンションにはエアサスが新設定され、スペースビジョンメーターやマ ルチビジョンなどの最新エレクトロニ クス装備も投入。1段も2段もステッアップしたスポーツ・ラグジュアリークーペとして、大きな飛躍を遂げ、爆発的なヒットを記録したのだった。
とはいえ、このソアラブームは初代が切り拓き、築いたスペシャリティーカーとしての地位が礎としてあったか らこそ成し得たものであることは間違いない。ソアラ史上最大のヒット作は2代目だが、初代の偉大さはそれ以上にさん然と輝いている。
今回、そんな初代ソアラの「奇跡の個体」が見つかった。それがこの前期2800GTだ。この個体を「奇跡」と評したが、それは大げさな表現ではなく、むしろ控えめであるほど。というのも、この個体の走行距離は、わずか6000㎞台なのだ。ドアトリムやサンバイザーには新車当時のビニールが残り、ボディの塗装は新車時のままでツヤも輝きも工場出荷直後のよう。室内も日焼けはもちろん汚れや傷みは皆 無。まさにデビュー時のままの姿を残している個体で、81年にタイムスリップしたかのようだ。
>>【画像28枚】80年代の国産車の進む道を決定付けた偉大なる名車。前期と後期で大きく異なるフロントデザイン。後期ではグリルが横基調のデザインになったほか、バンパーデザインも変更。上面がブラック塗装される(リミテッドはボディ同色)【3】に続く>> メッシュ柄のグリルと立体的で厚みのあるグリフォンエンブレムが前期の特徴にして特権。「DOHC-6」によりツインカムを誇示していることが時代を表している。
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主要諸元 SPECIFICATIONS
ソアラ 2800GT(MZ11)●全長×全幅×全高(㎜) 4655×1695×1360
●ホイールベース(㎜) 2660 トレッド(㎜) 1440/1450
●車両重量(㎏) 1300
●エンジン型式 5M-GEU型
●エンジン種類 直列6気筒DOHC
●総排気量(cc) 2759
●ボア×ストローク(㎜) 83.0×85.0
●圧縮比 8.8:1
●最高出力(ps/rpm) 170/5600
●最大トルク(㎏-m/rpm) 24.0/4400
●変速比 1速3.285/2速1.894/3速1.275/ 4速1.000/5速0.783/後退3.768 最終減速比 3.727
●ステアリング ラック&ピニオン サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
●ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
●タイヤ 195/70R14(前後とも)
●発売当時価格 266.7万円
【すべての写真を見る】【3】に続く初出: ハチマルヒーロー 2018年 3月号 vol.46
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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